【CJC=東京】米南部サウスカロライナ州下院は9日、議会議事堂の前庭に掲揚していた「南北戦争」(1861~65年)時代の南軍旗を撤去する法案を賛成94、反対20で可決した。上院はすでに可決されている。同州チャールストンの黒人系教会で9人を射殺した白人の犯人が、南軍旗を白人至上主義の象徴とみなしていたことから、撤去を求める声が相次いでいた。
採決前の討議は前日から約13時間にわたって行われた。一部の共和党議員が最後まで抵抗し、可決に必要な3分の2以上の賛成が得られるか微妙な情勢だったが、女性のジェニー・ホーン議員(共和党)が議場で涙を流しながら、撤去拒否は教会銃撃事件で亡くなったクレメンタ・ピンクニー州上院議員(牧師)の遺族への侮辱だとし、「そうした立場にくみしない」と訴えたことで情勢が一変した。
降ろされた南軍旗は、地元の軍事博物館などで保管される。