キリストの愛と奉仕の精神に基づく全人教育を行う、社会福祉法人聖愛学舎もみの木保育園、もみの木若葉台保育園などが主催するクリスマスミュージカルが23日、東京都八王子市の南大沢文化会館で行われる。ミュージカルでは、両園の卒園生が中心メンバーとなるキッズゴスペルクワイアーの「エバーグリーン・クワイアー」(エバグリ)が出演し、トルストイの名作「くつやのマルチン」を現代版にアレンジしたオリジナルミュージカル「GIFT 神さまの贈り物」を演じる。
ミュージカルの主人公エリは、ゴスペル・クワイアに所属する12才の女の子。クリスマスを前に事故に遭い入院。不幸な境遇の中で神様を恨み、悲しむが、「悲しむ者は幸いです」という聖書の御言葉に心を洗われ変えられていく。その後、エリは退院し、街で出会ったおじいさんや少女に親切にする。すると、その人たちを通して、思いもよらない"ある方"と出会う、という内容。原作と同じく、「小さい者、弱い者の中にわたしはいます」というイエスの言葉を伝える。
もみの木若葉台保育園園長で、エバグリのディレクターである物井洋介氏は、ミュージカルの企画の他、作詞、作曲も手掛け、音楽監督も務める。ミュージカルについて、「歌とダンスと芝居、この三つを通して聖書の御言葉を分かりやすく伝えるのがポイントです」と語り、「子どもの声からしか感じられない特別に伝わるものがあります」と子どもたちを通した神様の御業に期待する。
「はじめは慣れないですし、演技が出来なくて泣いちゃうこともありました」と練習の苦労を伝える物井氏。「しかし練習していくにつれて自信を持って、顔つきが変わってくるんです」と子どもたちの姿を語る。練習は9月から始め、週4回のパート別の練習、毎週木曜日の全体稽古を続け、18日には最終の通し稽古を終えた。
物井氏はミュージカルの意義として、「子どもたちはゴスペルを歌うことで、神様のメッセージを感じます。 (子どもたち自身が) すぐに教会につながるとは思いませんが、大切な種まきとして、徐々に心に根付いていくものと期待しています」と語る。
公演は、午後3時半からと午後6時半から、2回に渡って行われる。物井氏は、初めて演じる劇で不安があると言うが、「新しくやっていく中で少しずつ形になっていきます。それは大人も子どもも共有できる、ゼロから築き上げていくものです」と語る。
エバグリは99年、物井氏が保育園のイベントでゴスペルを歌おうと企画し、卒園した子ども達に参加を呼びかけたのがきっかけで始まった。呼びかけに予想を超えた多くの子ども達から申込みがあり、好評を得たことからクワイアー結成に至った。これまで、地元の音楽祭や、教会での賛美やミュージカルの他、テレビにも出演。息の合った合唱と元気なダンスに多くの人々が励まされてきた。
エバグリでミュージカルを行うのは05年の「虹のかがみ」以来、今回で2回目。今回公演するミュージカル「GIFT 」は、1時間ほどのコンパクトな形の演出となっている。来年11月には、本来の内容を盛り込んだ完全版を発表する予定。
問合せは、もみの木保育園( 電話:042・331・7505) 、もみの木若葉台保育園(電話:042・350・6300 )、エバーグリーン・クワイアー(Email:[email protected])まで。