中国とバチカンの双方が司教就任に同意したとされていた中国天主教愛国協会の甘俊丘神父が来月初め、正式に広州教区の司教に就任することが明らかになった。朝日新聞が16日、教会関係者の話として伝えた。
同紙によれば、同神父の司教就任に関しては今年3月にも行われるとの情報があったが、実現が遅れていた。しかし、教会関係者が16日、「12月3日午前8時から、広州の石室大聖堂で就任式典が催される」と明らかにした。今回の司教就任は、中国側の任命をバチカンが追認したと伝えられている。
今年9月に貴州省で補佐司教に叙階されたパオロ・シャオ・ザジアン神父、同月に北京教区の司教に叙階されたジョゼフ李山神父は、バチカンからの承認を得たとされており、今後も双方同意による司教が誕生する可能性がある。
一方、今年7月には中国の地下カトリック教会の司祭3人が、同国公認の中国天主教愛国協会へ加わることを拒んだとして、内モンゴル自治区の錫盟で8人の私服警官に逮捕されている。
ローマ教皇ベネディクト16世は05年の教皇就任以来、中国政府との対話姿勢を前向きに進めているが、今年6月に中国国内のカトリック信徒に対して送った書簡では、「我々は我々の敵を愛し、我々を迫害する者のために祈る必要があるが、我々は中国のローマ・カトリック教会に対して行われている迫害を世界に知らせる必要もある」と述べている。