先月24日に開校した希望聖書学院(尾形守学院長)の第1回目のオープン講座が14日、同学院で開催された。特別講師として招かれた奥山実・宣教師訓練センター(MTC)所長は、「神に勝てる者は誰もいない」と神の絶対的な主権を強調。信仰の成長を妨げる悪霊(あくれい)と自分との間にイエス・キリストという権威者をしっかりと立てることで、正確に悪霊との関係を断つことが重要だと語った。
奥山氏は、「人は死んだら天国か地獄にいく。世の中でぶらぶらしていない」と、世間を騒がせるいわゆる「心霊現象」は、人の霊の働きではなく、サタンに仕える「悪霊」の働きであると説いた。占い師や「第6感が強い」などの特殊な人が死んだ場所では、その人を生前に支配していた悪霊が住み着き、超自然的な現象が起こりやすくなるという。古戦場などでよく怪奇現象が起きるのは、侍がいつも死の危機に直面していたために、加持祈祷やお守りなどに常に頼っていたからだという。そこで起こる怪奇現象は、侍の霊ではなく、侍を生前支配していた悪霊の仕業である。
使徒パウロは、コリントI8、9、10章を通して「偶像にささげた肉を食べてもいいのか」という質問に回答している。パウロの結論は、「偶像の神は実際にはないもの」「唯一の神以外には神は存在しない」(8:4)のであって、「彼らのささげる物は、神にではなくて悪霊にささげられている」(10:20)ということである。
奥山氏は日本の一般的な家庭にある仏壇について、「仏壇にいるのは先祖の霊ではなく、悪霊」であると指摘した。サタンは「いと高き方(神)のように」なることを熱望し(イザヤ14:13、14)、人から拝まれることを何よりも好む。悪霊も同じ性質を持っているため、人から拝まれる偶像に住み着いている。
また奥山氏は、かつて宣教の困難だった中国でいま教会のリバイバルが起こっているのは、49年からの毛沢東の政策により、国中の家庭にあった仏壇が破壊されたからではないか、と指摘。「神は共産党も用いられる。神に勝てる者は誰もいない」と語った。
49年以前、中国の宣教は困難を極めていた。祖先崇拝などの偶像礼拝が国中を支配する状況を憂い、ある宣教師の一団が「国中から偶像を取り除いてください」と神に祈る運動を始めた。他の宣教師からは不可能だとばかにされた。しかし神は、宣教師たちの本音の祈りを聴かれた。奥山氏は、「神に聴かれる祈りは本音の祈り」「祈りはすごい。だから私たちも本音で祈らなければならない」と強調した。
イエスを信じる者は、サタンの支配から神の支配に移される。クリスチャンは「光の子」(エペソ5:8)であり、闇は光に打ち勝たない(ヨハネ1:5)。では、なぜ闇である悪霊の攻撃をクリスチャンが受けるのか。
悪霊は現実に存在している。クリスチャンがサタンの支配から神の支配に移されたとしても、悪霊は小さなすきを見ては、クリスチャンを攻撃しようとする。悪霊による攻撃は、その人の救いを無効にすることは決してできないが、信仰の成長を妨げることがある。
奥山氏は、自分と悪霊との間に、まことの権威者であるイエス・キリストを立てることによって悪霊の攻撃から解放される、過去に犯したすべての罪を神に告白して、悪霊との関係をすっかり断ちさえすれば「私たちは光の子、(悪霊は)何でもない」と語った。
希望聖書学院では、聖書66巻の真理に堅く立ち、世界宣教、日本宣教に励む教職者、信徒の育成を目標に、学問的学びにとどまらず実践的訓練も行う。入学金は5000円、講義1回につき受講料は1000円。毎週金曜日午後5時から6時半まで、東京・武蔵野赤十字病院前の「東京希望キリスト教会」(武蔵野市境南町2-28-15、JR中央線武蔵境駅南口徒歩8分)で開講している。聖書の学びや献身に興味のある人、聴講生も募集中。通信も可。問い合わせは、同学院(電話・ファックス:0554・63・5316)まで。