「あなたがたの天の父があわれみ深いように、あなたがたも、あわれみ深くしなさい。さばいてはいけません。そうすれば、自分もさばかれません。人を罪に定めてはいけません。そうすれば、自分も罪に定められません。赦しなさい。そうすれば、自分も赦されます。与えなさい。そうすれば、自分も与えられます。人は量りをよくして、押しつけ、揺すり入れ、あふれるまでにして、ふところに入れてくれるでしょう。あなたがたは、人を量る量りで、自分も量り返してもらうからです」(ルカ6:36~38)
アメリカのある調査機関が「自分の努力によって成功を収めた100人の人々の共通点」について調査しました。年齢は40歳から80歳まで。出身地は田舎の人もいれば都会の人もいる。男性もいれば女性もいる。学歴は中卒の人もいれば博士号を持つ人もいる。何一つ共通点がないように見えました。しかし調査機関はついに一つの共通点を発見しました。それは「他人の長所を見つけることが上手であり、そして、それを相手にさりげなく伝える能力を持っている」ことでした。
ある心理学者は次のように言います。「他の人に対する最大の親切は、自分の持っている良いものを与えることではなく、その人の持っている良いものを明らかにしてあげることである」。そのように相手に接してあげれば、相手もまた親切や勤勉をもって応えてくれるのです。これを、「山びこの法則」と呼びます。
あなたも職場の仲間や家族や友人に対して、さりげなく長所や優れている点を伝えてみてください。必ずや良き人間関係の達人となれるはずです。
ある町に一人の人が引っ越してきました。そしてその町の一人の老人の所へ行って聞きました。「この町の人々はどんな人たちですか」
するとその老人は逆に聞きました。「その前に今まであなたが住んでいた町の人々はどんな人たちだったか教えてください」。その人は答えました。「とても良い人たちでした。私は、本当はその町を離れたくはなかったのです」。老人は言いました。「安心しなさい。この町の人々もあなたにとってとても良い人たちになってくれるでしょう」
別の人が引っ越してきて、同じように老人に聞きました。「この町の人々はどんな人たちですか」。老人は同じように聞きました。「その前に今まであなたの住んでいた町の人たちは、どんな人たちだったか教えてください」。するとその人は言いました。「とても住みにくい町でした。いやな人たちばっかりで」。すると老人は残念そうに言いました。「この町もあなたにとっては住みにくい町になることでしょう」
この話は、人間関係の真理を良く表しています。人間関係は鏡のようなものです。善意には善意が、悪意には悪意が帰ってくるのです。もしあなたが周囲の人との人間関係に悩んでいるとすれば、もしかしたらあなたにも原因があるのかもしれません。
ある所に仲の悪い嫁と姑がいました。姑の意地悪に耐えかねた嫁が、カウンセラーの所へ相談に行きました。「どうしても許せない」という嫁にカウンセラーは白い粉薬を渡しながら言いました。「これを姑の食事に毎日少しずつ入れなさい。段々身体が弱って3カ月くらいで亡くなります。使ってみますか」
嫁は喜んで言いました。「はい、喜んで」。カウンセラーはその薬を渡しながら、こう付け加えました。「姑が亡くなった時、万が一にもあなたが怪しまれないために、これから毎日姑には親切にしなさい」。嫁は3カ月の我慢だからと思い、その日から姑に表面的には優しくなりました。いよいよ問題の3カ月が近づいてきた時、嫁が困惑した顔でカウンセラーの所にやってきました。「あのー先生、あの薬が効かなくなる薬はありませんか。実は最近姑が何だかとても優しくなってきました。このままならずーっと長生きして欲しいと思います。だから先生、姑を助けてください」
するとカウンセラーは笑いながら言いました。「大丈夫ですよ、あの粉は小麦粉ですよ」
なぜ姑の態度が急に変わったのでしょうか。賢い皆さんには分かると思います。そうです。お嫁さんの態度が急に優しくなったので、それに呼応するように、お姑さんの態度も優しくなっていったのです。
「思い違いをしてはいけません。神は侮られるような方ではありません。人は種を蒔けば、その刈り取りもすることになります。善を行うのに飽いてはいけません。失望せずにいれば、時期が来て、刈り取ることになります」(ガラテヤ6:7、9)
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