米国の牧師ティム・ラヘイの終末論研究を基にしたジェリー・ジェンキンズのベストセラー小説を映像化し、昨年10月に全米で公開された映画「レフト・ビハインド(LEFT BEHIND)」が、来月日本でも全国公開される。 同名の原作小説は、1995年の出版以来、全米でシリーズ累計6500万部以上の売り上げを記録している。映画はアカデミー賞俳優ニコラス・ケイジが主演ということでも話題を呼び、米国ではスマッシュヒットを記録した。
原作小説は、「ヨハネの黙示録に記されたこの世界の終末にまつわる預言が、現代社会で実現したら」をテーマに書かれている。終末は、突然同時刻に全世界で数百万を超える人間が姿を消すという事件で始まる。本作品では、その消失事件により、世界中が未曽有の混乱状態に陥る様子を、パニックアクション超大作として描き出している。
パイロットのレイが搭乗していた、高度3万フィートの上空を飛ぶジャンボジェットの機内からも、大量の乗客が着ていた衣服と荷物を残して姿を消してしまう。管制塔との連絡は途絶え、乗客たちがパニックを起こす中、彼らの命を預かるレイは、命を懸けた決断を迫られる。
父親であるレイの帰りを待つ娘のクローイは、無法地帯と化した地上で、消失してしまった母と弟を探し、街中をさまよい歩いていた。そんなクローイと衛星電話で連絡を取ることができたレイは、この異常事態が、機内の中だけで起こっているのではないことを知る。
世界がかつてない混乱状態に陥る中、乗客の命を救おうと使命感に燃える男の姿を、ニコラス・ケイジが圧倒的な説得力で演じている。「リービング・ラスベガス」(1995)でアカデミー賞主演男優賞を受賞し、演技派俳優としての地位を不動のものにして以降、「ザ・ロック」(96)や「ゴーストライダー」(2007)シリーズといった大ヒットアクション大作へも積極的に出演し、アクションスターとしても揺るぎない地位を確立した俳優だ。
監督は、英国アカデミー賞を受賞しているヴィク・アームストロング。「スーパーマン」(79)でスタントマンを務め、「宇宙戦争」(05)、「マイティ・ソー」(11)、「アメイジング・スパイダーマン」(12)などでセカンド・ユニット監督を務めた経歴の持ち主だ。終末へと向かい始めた世界の混乱が、アクション映画のプロたちによって、どれだけ壮大なスケールで描き出されるのか、どれだけリアリティーを持って観客に迫ってくるのかが、大きな見どころになる。
原作では、レイは妻と息子が熱心に通っていた教会で、消失事件が聖書の預言にある「携挙」であることを知る。日頃、信仰熱心な妻の話に耳を貸さなかったことを悔い改め、信仰に立ち返ったレイは、クローイと共に、差し迫る大患難時代への備えを始めるのだが、本作品の中でどこまでその真相が明らかにされるのかも、注目したいポイントだ。
映画「レフト・ビハインド」(配給:クロックワークス)は、6月27日から新宿バルト9ほか全国で公開される。
■ 映画「レフト・ビハインド」予告編