聖書に描かれた世界の終末を題材にした映画『リメイニング』が、16日から全国公開される。聖書に書かれている「携挙」が現代で起こったら、世界にどんな混乱が生じるのか。SF映画の名作として名高い『ドニー・ダーコ』のプロデューサーを務めたケイシー・ラ・スカラが監督を務め、全米で大ヒットを記録したホラー映画シリーズ『パラノーマル・アクティビティ4』のダグ・エメットが撮影した、本格的なパニックスリラー映画に仕上がっている。
「リメイニング(the remaining)」とは、「残された人々」の意味。聖書の中では、世界の終末に大患難時代と呼ばれる極めて困難な時代がやってくること、その時代に入るターニングポイントとして、「携挙」と呼ばれる出来事が起きることが預言されている。携挙は、クリスチャンが一挙に空中に引き上げられて、再臨の主イエス・キリストと会うことを指す。
結婚パーティーに仲間や家族が集う中、魂を奪われたように人々が次々と倒れ始める場面から、この映画は始まる。それに続くようにして、さまざまな異常事態が発生。外では雷鳴と共に火の玉と巨大な氷塊が降り注ぎ、制御を失った旅客機が墜落する。一瞬にして街中が大パニックに陥る。
天変地異による地球破壊か、異星人襲来による人類滅亡か。何が起きているのか分からない主人公たちだが、逃げ込んだ先の教会で、聖書の「ヨハネの黙示録」に記されている携挙が起こり、世界の終末が始まったと聞かされる。
製作・脚本・監督を務めたケイシー・ラ・スカラは、通常の撮影方式とPOVを自在に組み合わせた斬新な表現方法を使い、極限の緊張と恐怖を本作で表現している。「POV」とは「Point of View Shot」の略で、日本では「視点ショット」「主観ショット」などと訳される。カメラの視点を登場人物の視線に一致させるようにして撮影することで、よりリアリティーのある映像を作り上げることができる。『クローバーフィールド』『パラノーマル・アクティビティ』『イントゥ・ザ・ストーム』など、フェイクドキュメンタリー映画でこのカメラワークが生かされている。
世界の終焉(しゅうえん)に直面したとき、何が起こり、人々はどのような行動を取るのか!? 襲い掛かるあらゆる困難の中で、愛する者を守り、生き延びようとする若者たちの姿が、リアルに描かれている本作。終末パニック映画として製作されているが、製作元にはキリスト教関係の団体も関わっているといい、「聖書に基づいたエンターテイメント作品として楽しんでほしい」と、宣伝担当者は話している。
映画『リメイニング』は、16日から新宿シネマカリテほか、全国で公開される。5月20日(水)午後3時半の上映終了後には、新宿シネマカリテで、ライフ・クリエイション(いのちのことば社)プロデューサーの礒川道夫さんによるトークショーも開催される予定。
■ 映画『リメイニング』予告編