先月25日に大地震が起こったネパールで、12日午後0時50分(日本時間同4時5分)ごろ、再び大きな地震が発生した。地震は同国東部で発生し、地震の規模を示すマグニチュード(M)は7・3。先月、同国中部で起こったM7・8の地震の余震とみられている。犠牲者がさらに増えていると報告される中、最初の地震発生から2週間以上がたった現地には、多くのキリスト教団体が支援に入っており、スタッフの安否確認も急がれている。
グッドネーバーズの現地スタッフは、今回の余震による被害は受けておらず無事で、支援している子どもたちの安否の確認を既に始めているという。先月の地震の震源付近であるゴルカ郡へ緊急支援チームをいち早く派遣したグッドネーバーズは、地震発生から3日後の第1回物資配布に続き、既に第2回、3回の配布を、市街地から車で6時間半以上かかる、山間の孤立した3つの村の計1146世帯に行った。
標高が高い場所に点在する、物資の届きにくい村への支援が急務とされていたが、時間の経過とともに、遠隔地へも物資が届くようになった。だが、現在でも地震の影響で道路が崩壊し、道はぬかるんでいるといい、車での乗り入れはできず徒歩での運搬を余儀なくされる場所も多いという。山間部では、地域住民全体に物資配布の情報を知らせることも難しい。 地域の代表者と一軒一軒訪問して知らせることで、やっと配布を始めることができるという。
グッドネーバーズでは、可能な限り多くの地域を支援するため、孤立していると思われる地域の調査を行いながら、必要な物資を配布している。これから雨期に入るため、防水シートや非常食が必要となるが、 地震後、防水シートはネパール国内で品薄状態だという。
ヒマラヤ山脈に囲まれた標高1700メートルの高地にあるゴーダ村でも、がれきの山と化した場所で、村人たちが間に合わせのテントで夜を明かしている。ワールド・ビジョンは、30キロの米、5キロの豆、塩や油などをセットにし、100世帯に1セットずつを届けたという。
地震で住む家や愛する人々を失い、心に傷を負った大勢の子どもたちに対し、安全で自由に遊べる場所「チャイルド・フレンドリー・スペース」(CFS)を計画していたワールド・ビジョンは、既に各地の避難所にCFSを10カ所設置。子どもたちのストレスや精神的負担をやわらげる活動を実施している。
ネパール教育省によると、被災地にある668の学校が全壊、819の学校が半壊し、いまだ学校は閉鎖されたままだという。現地では一時的な学習センターの設置が求められており、ワールド・ビジョンは現在の活動地域に学習センターを設置する準備を進めている。
また、グッドネーバーズは、韓国の原州(ウォンジュ)セブランスキリスト病院から医師1人、看護師1人、救急救命士1人による医療チームを派遣。これらの医療スタッフは今回甚大な被害を受けたゴルカ郡の山間の村まで徒歩で移動し、地域住民を対象にモバイルクリニック(移動診療)を行うという。
今回の大きな余震発生による被害拡大を受けて、さらなる支援が求められている。グッドネーバーズ、ワールド・ビジョンなど、多くのキリスト教団体が支援募金を呼び掛けている。詳細は各団体のウェブサイトまで。