キリスト教精神に基づき、アジアを中心に貧困の中で暮らす子どもたちのために活動しているチャイルド・ファンド・ジャパン(東京都杉並区)が1日、公式サイトで事務局長の交代を発表した。
同団体の活動を32年間にわたって支えてきた前事務局長の小林毅(こばやし・たけし)氏は、退職にあたり支援者に感謝を伝えるコメントを発表した。36年前に留学先のフィリピンで目の当たりにした貧困にあえぐ子どもたちの姿を振り返り、同団体の働きが彼らに多くのチャンスを与え、彼らの成長を見ることができたことは大きな喜びだと語った。
新事務局長に就任した和山正秀(わやま・まさひで)氏は、これまでの活動で構築してきた信頼関係を広げ、さらに深め、継続していくことを第一に活動していくと語った。今年が同団体の設立10周年、前身団体からの活動も含め海外支援活動40年の節目に当たるとし、現在の体制を築いた前事務局長の知識と経験を受け継ぎ、着実に前進するよう努力していくとコメントした。
同団体の前身である米国の民間団体、キリスト教児童基金(CCF)は戦後、日本で戦災孤児の支援を始めた。1952年にはCCFの日本事務所として基督教児童福祉会(CCWA)を設立。74年のCCF支援終結までに延べ8万6千人の子どもたちを支援した。75年にはCCWAに国際精神里親運動部(現:チャイルド・ファンド・ジャパン)が創設され、日本のNGOの草分けとなった。
現在では、支援者と支援を受ける子どもの一対一の関係を大切にする「スポンサーシップ・プログラム」や、貧困における特定の開発課題を支える「支援プロジェクト」を行っている。その他にもフィリピンの台風被災地復興支援や東日本大震災への緊急・復興支援、書き損じハガキよる支援などを通して活動を広げている。