アジアサッカー連盟(AFC)がアジア各国で行っているキャンペーン「ONE GOAL」が、日本でも日本サッカー協会(JFA、会長:大仁邦彌)の主催で行われる。「アジアのすべての子どもに栄養を」をスローガンに、国内では国際NGOのワールド・ビジョン・ジャパン(常務理事・事務局長:片山信彦)と協力して行う。
アジアの5歳未満の子ども約3億5千万人のうち、4分の1は低体重で、1億人が発育不良といわれている。ONE GOALキャンペーンは、アジアの子どもたちがより良い食生活により、成長に必要な栄養を適切に摂取し、健やかに成長できるよう目指している。親善大使は、元日本代表の北澤豪氏(JFA理事)と高倉麻子氏(U−18日本女子代表監督)が務める。
現在、世界の飢餓人口(1日1食以下)は8億500万人に上り、そのうちの約3分の2に相当する5億6300万人がアジア・太平洋地域に暮らしているとされている。さらに、世界の飢餓人口の65パーセントは、7つの国(インド、中国、コンゴ、バングラデシュ、インドネシア、パキスタン、エチオピア)に集中しており、そのうち5カ国はアジアの国である。
今後、JFAは日本のサッカー界に対してアジアと日本の子どもたちの栄養改善に関する啓発活動を展開し、アジア各国で栄養改善の事業を実施しているワールド・ビジョン・ジャパンがこれに協力、JFA主催の競技会での情報発信や、指導者・審判員・選手らを通じた啓発活動などが計画されている。なお、ONE GOALの特設サイトは4月ごろにオープンする予定。
ONE GOALキャンペーンはすでにアジア各国で行われており、現在オーストラリアで開催中のAFCアジアカップ2015では、AFCとワールド・ビジョン・オーストラリアが連携し、観戦チケットの売上の一部が、アジアの子どもたちの栄養改善のために寄付となる活動を展開している。
サッカーと関連した慈善活動には、類似の名前のキャンペーン「1GOAL」もある。世界の全ての人々が教育を受けられるよう訴えるキャンペーンで、サポーターには、ゼップ・ブラッター国際サッカー連盟(FIFA)会長や、ジネディーヌ・ジダン選手などのサッカー関係者はもちろん、ゴードン・ブラウン英首相やヒラリー・クリントン元米国務長官といった政治家、ロックバンド「U2」のボノ、女優のジェシカ・アルバなど、さまざまな著名人が名を連ねている。
1GOALキャンペーンのサポーターの一人、ヨルダンのラーニア・アル・アブドゥッラー王妃は、「世界中の人々が『万人のための教育(EFA)』という一つのゴールを応援することで、何百万人もの子どもたちが暗闇から抜け出し、教育を通して輝く未来を手に入れることができます。世界のリーダーたちに、私たちの声を届けましょう」とコメントしている。