昨年12月28日に起きたエアアジアのスラバヤ発シンガポール行きQZ8501便の墜落事故により、インドネシアのスラバヤにある複数の教会の多くの会員が亡くなった。各教会の指導者は、信徒たちに信仰を失わないよう励ましている。
スラバヤにあるメガチャーチの一つ、フィリップ・マントファ牧師が牧会するマワ・シャロン教会は、14家族46人の会員を今回の事故で失った。また、アウグスティヌス・トリ・ブディ・ウトモ司教総代理が牧会するこの地域のカトリック教会は、27人の会員を失った。
QZ8501便はスラバヤからシンガポールに向けて出発した約1時間後、ジャワ海上空を飛行中に消息を絶った。乗員乗客合わせて162人を乗せて、ブリトゥン島とカリマンタン島の間を飛行中、管制との交信を絶った。
後日、機体の破片と46人の遺体が発見された。乗客の中には、座席に固定されたままの人もいた。生存者は見つかっていない。しかし、マントファ牧師は希望を捨てていない。
「私の心はひどく痛んでいます」と言うが、「生存者がいるよう、ただ神に祈るばかりです。私たちはただそのことを見たいのです」と話している。
さまざまな宗教の指導者たちは、愛する人の身元確認の一報を待つ犠牲者の家族のために対応している。この事故の危機管理センターは、空港から警察病院に移されたが、歌、祈り、泣き叫ぶ声が建物のあちこちから聞こえる。
ウトモ司教総代理は、家族の心が慰められるよう願った。
「なぜかとは尋ねないでください。『なぜ』ということばは信仰と希望を弱めかねないからです」と、ウトモ司教総代理は祈祷会の中で家族たちに話した。
事故の原因はまだ分かっておらず、墜落機のブラックボックス(フライトレコーダーとボイスレコーダー)もまだ回収されていない。一方、当局は、エアアジア・インドネシア社が事故当日の運行許可を得ていなかったことを突き止めた。現在、インドネシアとシンガポールを結ぶエアアジアの全ての便の運行が、一時差し止められている。
捜索を進めるための専門的な機材が2日に到着したが、現場海域の高波のために使うことができなかった。
情報筋によると、同機は悪天候を回避するために「信じがたいほど」急速に高度を上げ、それによって失速を引き起こしたのではないかと見られている。
同機は、高度3万2千フィート(約9750メートル上空)で飛行中、管制に高度3万8千フィート(約1万1600メートル)への上昇許可を求めた。しかし、これは飛行中の他の航空機との兼ね合いで拒否された。管制は、代わりに3万4千フィート(約1万0300メートル)までの上昇許可を出したが、同機からの応答はなかった。
事故の捜査は一時中断され、乗客、乗員、航空機の機体、ブラックボックスの捜索が続いている。