世界死刑廃止連盟(WCADP)が主催する「世界死刑廃止デー」を迎えて10日、国際人権団体アムネスティー・インターナショナルは世界各国の政府に対して、国連での全世界的な死刑執行廃止決議に賛成するよう呼びかけた。
アムネスティのアイリーン・カーン国際事務総長はこの日、死刑制度廃止が世界的な潮流となっていることを挙げ、「各国政府は国連総会での全世界的な死刑執行停止決議を支持し、死刑のない世界を建設するための重要な一歩を踏み出さねばならない」と語った。
現在、死刑廃止には世界的な弾みがついている。今年7月には、ルワンダ共和国が法律上で死刑を廃止し、法律上の死刑廃止国は100カ国となった。また、事実上死刑を廃止している国も含めると、国連加盟国の内133ヶ国が死刑を廃止している。昨年に限っては、死刑執行が行われた国は25ヶ国のみとなり、執行数も前年比で25パーセント減少している。
依然として死刑が行われている中国や米国でも動きがあり、中国では今年に入って死刑判決を再審理する制度が復活し、中国の法学者らはこれにより20〜30パーセントの死刑執行数が減少すると見ている。米国でも昨年の執行数は53件で、ここ10年間で最も少ない数となった。
一方、日本では8月に死刑囚3人の死刑が執行された。これに対して、日本キリスト教協議会(NCC)は声明を発表し、世論では死刑囚が犯した罪の大きさだけが取りざたされるが、死刑囚にも「人権」があると主張。「私たち宗教者は、一人ひとりの生命は、紡いでいくことをもって、その存在意義をなすことを大切な信仰の価値としています。ゆえに、その生命は、決して国家の暴力によって奪ってはならないものと確信します」と死刑執行に反対する姿勢を示している。