埼玉県戸田市にあるインターナショナル・プリスクール(保育園)で23日、クリスマスパーティーが開かれ、園児や保護者ら約200人が参加した。
同市にある「LOV(ラブ)クリスチャンプリスクール&ナーサリー」は、2010年に園長のメンサ・ポリナ・グレイディスさんらによって開園した、インターナショナルなプリスクール(保育園)。「谷間のユリ(Lily of the Valley)」の頭文字を取り、その名称には「LOV(ラブ)」と付けられている。また、旧約聖書の箴言22章6節「若者をその行く道にふさわしく教育せよ。そうすれば、年老いても、それから離れない」をその方針に掲げ、保育は常に英語で行われ、国際的な文化を取り入れ、伝承している。通っている園児の国籍も、日本、中国、韓国、エストニア、米国、ナイジェリアなど国際色豊かだ。
園長夫妻は20年前、アフリカから日本に移住。グレイディス園長は、祖国ガーナにいたころから中学校の教師を務め、日本に移住後も保育士や英語の講師として働いた。「子どもをとても愛しているし、彼らを通して、神様の愛を伝えたかった」と、この保育園を設立した動機を話す。
「インターナショナルスクールはとても高額。どんな人でも通える学校を作りたかった。経済的な試練もありましたが、何より日本人に神様のことを伝えようと思った」と語る。現在では保護者からも、「スクールという雰囲気ではなく、すごくアットホームな雰囲気」と評判になっており、約60人の園児を預かる地元でも有名な保育園となった。
この日のパーティーは、祝日ということもあり、園児と保護者合わせて約200人が集まり、盛大にクリスマスが祝われた。メッセージは、ライフハウス埼玉のキャメロン・クック牧師が担当。グレイディス園長の息子ジョシュアさんが日本語に通訳した。
グレイディス園長は、「以前は年配の牧師さんに来てもらっていました。でも若い保護者に、年寄りばかりに教会が必要なんじゃなくて、若い人にも神様が必要ということを伝えたくて、若くてパッション(情熱)に溢ふれている教会を選んだ。それに彼のプリーチ(説教)は形式ばったものではない。それも日本人にとっては新鮮でしょう」と、クック牧師を選んだ理由を語った。
「日本人のクリスチャンへのイメージは良くない。だからクリスチャンと関係を築きたくないと思われてしまうけど、本当は魅力的な人たちだと伝えたい」とグレイディス園長。「しかし、保護者のイメージも変わってきました。私たちも、そのイメージを変えられるメッセージができて、人々に少しでも神様の愛が届くように、誰が適任かいつも祈って決める」と話す。
クック牧師は、「イエスは分厚い聖書の言葉の全てをたった二言に要約しました。神様を愛し、人々を愛す。何も難しいことをしなさいと言うのではありません」とメッセージ。自身の夫婦生活を題材に、「相手の“ダメなことリスト”を捨てること」が赦すことであり、それが愛だと簡潔にメッセージを伝えた。
その後、園児によるイエスの降誕劇、ダンス、ハンドベルの演奏も披露され、保護者も一緒になって盛り上がった。
パーティーで振舞われた食事も実に国際色豊かで、チキンシチューやタコのマリネ、ケーキやクッキーなどの定番のメニューから、園長の故郷のヤギの串焼き「ゴートケバブ」などが振舞われた。グレイディス園長は、「私の故郷のアフリカの味も伝えたかった。食べ物ひとつとっても、この世界にはとても多くのスタイルがあります」と話す。
食事の後は、ライフハウス埼玉から来たワーシップチームが賛美。子どもも舞台上で一緒になって飛び跳ね、歌い、保護者も手をたたいて楽しんだ。
保護者からは、「この雰囲気を保育園で終わりにせず、全ての世代で続けてほしい」という声も聞かれた。現在、同園はマンションの1階スペースを借りて運営しており、グレイディス園長は「そのために、まず自分たちの場所を得るのが次のステップ」と、今後の展望を明かした。