2010年に東京・有明コロシアムで開催された大規模伝道大会「日本クリストファー・サン国際大会」の主講師クリストファー・サン氏が来日し、8、9日の2日間、ウェスレアン・ホーリネス教団淀橋教会(東京都新宿区)で講演した。すでに2016年には再び東京で、同氏を招いて数万人規模の伝道大会を開催することが決定している。9日の集会でサン氏は、ヨハネによる福音書2章23節~3章8節を本文にイエス・キリストの福音を明確に説き、「誰でも人は、新しく生まれることによってのみ永遠の命が与えられ、神の国を見ることができる」と語った。
日本クリストファー・サン国際大会は、「150周年を契機に、十字架と復活の福音を伝えるために、一致協力してあたっていく」とした日本プロテスタント宣教150周年記念大会の「共同宣言」を実現させようと、日本のプロテスタントの主要三派が協力する一大伝道プロジェクトとして立ち上がった。2016年の次回大会も、日本プロテスタント宣教150周年記念大会実行委員長である峯野龍弘氏(淀橋教会主管牧師)が引き続き会長を務め、聖路加国際病院の日野原重明理事長が推薦人となっている。
中国系米国人であるサン氏は、1984年にクリストファー・サン伝道協会(CSEA)を設立して以来、米国をはじめ、カナダやロシア、カザフスタン、オランダ、マレーシア、フィリピン、台湾、韓国、香港、インドなど世界の各地を巡って数万人規模の集会を多数開催。中国や台湾などの中国語圏では特に知名度が高い。2005年からは日本での宣教に力を入れ、これまでに札幌、仙台、東京、大阪、岡山、熊本など全国各地で集会を開いてきた。
開会の挨拶で峯野氏は、「明年の秋にはフランクリン・グラハム先生を招いて武道館で集会を持つ。さらに神様はちょうどその1年後、クリストファー・サン先生をお送りくださって、なんとしてもこの首都圏、そして日本に愛の変革をくださろうとしている」と強調し、「今日のこの集会が、おそらく皆さんの生涯上の思い出になる以上に、生涯上の新たな旅立ちになると確信している。2016年につながる小川の流れのようで、やがて大海となる集会の出発点。ここにおられるのは記念すべきこと」と来場者を歓迎した。
9日のステージには、ゴスペルシンガーの塩谷達也・美和夫妻と泉水美保、この集会のために結成された合同聖歌隊がそれぞれ出演し、「アメイジング・グレイス」や「ハレルヤ・コーラス」の他、オリジナル曲を熱唱した。
講演の冒頭でサン氏は、「確かに現代社会は、技術革新の中で進歩している。だが、もっと簡単な『幸せに生きること』が実現できない。それはなぜか」と問い掛けた。「文明がどれだけ進んでも、私たちの心の中にある罪が、現実をコントロールしてしまう。だからこそ聖書は、内面から新しく生まれなければならないと告げている」と語った。
サン氏は、イエスが犯罪人に対してではなく、当時人々から非常に尊敬されていた宗教指導者のニコデモにも罪の悔い改めを迫ったことを強調し、「『生まれ変わったほうがいい』ではなく、『生まれ変わらなければならない』とおっしゃった。生まれ変わることによってのみ、創造主なる神との正しい関係を持つことができる」と話した。
また、「誰もが、存在のどこかに罪を持っている」と説き、「この罪ゆえに、創造主なる神から切り離され、人生が意味のないものになった。だからこそ、こんなに豊かな社会の中でたくさんの人が自殺している」と語った。サン氏は、「しかし、もしあなたがイエス・キリストを信じて新しく生まれ変わるなら、あなたの人生には明確な目的が与えられ、その人生は意味深いものになる」と信仰の決心を迫った。
集会の最後には、サン氏の呼び掛けに会場の多くの人々がステージの前に集まり、罪の告白とイエス・キリストを受け入れる祈りをささげた。