兄弟たちよ。私たちがアジヤで会った苦しみについて、ぜひ知っておいてください。私たちは、非常に激しい、耐えられないほどの圧迫を受け、ついにいのちさえも危くなり、ほんとうに、自分の心の中で死を覚悟しました。これは、もはや自分自身を頼まず、死者をよみがえらせてくださる神により頼む者となるためでした。ところが神は、これほどの大きな死の危険から、私たちを救い出してくださいました。また将来も救い出してくださいます。なおも救い出してくださるという望みを、私たちはこの神に置いているのです。・・・(第2コリント人への手紙1章8節~11節)
今日の箇所は、コリントの教会にいるクリスチャンたちに書き送ったパウロの手紙です。彼は手紙によって信仰の神髄を伝えようとしました。今はIT革命で、情報は即座に簡単に伝えることができます。しかし2000年前は、直接会うか誰かに手紙を託す以外に情報を伝える方法がありません。その上、羊皮紙やパピルス紙のような高価で限られたものに書くしかありませんでしたので、1字も無駄のない信仰の籠もった言葉が残されています。
良いことばかりが人生ではないというのが本物の人生です。その中でも、神と共に歩むなら、神の恵みによって魂の奥底から支えられるのです。特に10節から神の3重の救いについて学びましょう。
1. 神の救いが確かにあった
パウロはたびたび伝道旅行に出掛けましたが、当時の旅は大変です。歩いたり馬に乗ったりが中心ですが、馬や自分も病気にかかったり盗賊や迫害、災害で命を奪われそうな危険もしばしば。しかしそのような中でも神は救ってくれたと語っています。
先日東京で、数年前に救われた兄弟たちが証しをしてくれました。様々な悩みの中で、今なら、神に祈り、聖書から御言葉によって気づかせていただけるが、以前の自分は、神様なしにどうやって問題を解決していたのか不思議でしょうがない。クリスチャンになって本当によかったと言っておられました。
私たちには、過去を振り返ると必ず恵みが与えられているのです。救いの恵みを思い出しましょう。
2. 今も色あせない恵みが取り囲んでいる
神は、過去に私たちを救い出して下さったが、今はどん底というのではなく、今も救いを受けていることに感謝しましょう。主の救いの恵みと導きの力強さは現在進行形で今も生き生きとしています。
毎日の生活の中に、今も救いの喜びがあることに心を向ける行動をしましょう。私は、車の中で大声でお祈りをし、讃美をしています。神は今ここに臨在され、いつも働いておられます。神が働かれると、常に色あせず今も恵みをいただくことができるのです。パウロはただ過去の救いのことだけを言っているのではなく、今もなお救い出し続けて下さる神の恵みが溢れていることを感謝しているのです。
3. 将来も救い出して下さる神
また将来も救い出し、なおも救い出して下さると書き、今も将来においても神によって救い出されると言っています。私たちは、疲れたときや問題のあるときだけでなく、自分の将来や夢、ビジョンも委ねて神に祈ることができることを忘れずに。
神の救いの恵みは3重です。過去も現在も将来も私たちの全人生を救って下さる神が共にいて下さるのです。たとえ今困難の中にあろうとも、神と共に歩めば必ず祝福されます。神様はあなたの人生の中にちゃんと働いておられるのです。
過去も現在も将来も神は救いの神として共におられ、神の家族の一員として私たちは力強く歩むことができます。この10節の3重の救いの恵みを自分自身のものとして受け止めましょう。
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万代栄嗣(まんだい・えいじ)
松山福音センターの牧師として、全国各地、そして海外へと飛び回る多忙な毎日。そのなかでも宗教を超えた各種講演を積極的に行っている。国内では松山を中心に、福岡、鹿児島、東京、神戸、広島、高松にて主任牧師として活動中。キリスト教界のなかでも、新進気鋭の牧師・伝道者として、注目の的。各種講演会では、牧師としての人間観、ノイローゼのカウンセリングの経験、留学体験などを土台に、真に満足できる生き方の秘訣について、大胆に語り続けている。講演内容も、自己啓発、生きがい論、目標設定、人間関係など多岐にわたる。
また、自らがリーダー、そしてボーカルを務める『がんばるばんど』の活動を通し、人生に対する前向きで積極的な姿勢を歌によって伝え続け、幅広い年齢層に支持されている。
国外では、インド、東南アジア、ブラジル等を中心に伝道活動や、神学校の教師として活躍している。