私は中学生時代、陸上部に入っていました。得意種目は、短距離走、長距離走、砲丸投げなどでした。今、私の長女が中学3年生ですので、随分昔の話です。
過去の栄光を話したいわけではありませんが、運動会になると、リレー選手に選ばれ、騎馬戦では大活躍し、決して戦いに負けないばかりか、他の騎手のハチマキは10本以上を奪取したこともあります。応援団長もやりました。
そんな中で忘れもしない出来事があります。リレーは、運動会の種目のメインイベントでした。私はアンカーで4番目の走者でした。練習ではいつも一番でしたので、その日も第3走者から一番にバトンを受け取って優勝することだけを思い描いていました。しかし、こともあろうに、第2走者がバトンの受け渡しで失敗してしまいました。私のところにバトンがまわって来た時にはビリで、そのままビリで終わりました。応援団長をしたり、他の種目では活躍できたのに、リレーの敗北はショックでした。
バトンの受け渡しは大切です。私たちの人生においても、バトンの受け渡しが必要です。例えば、入園と卒園、入学と卒業、入社と退社、恋愛の始まりと終わり、友達との出会いと別れなどです。さながらリレーのバトンタッチのように、次のステージに移行します。時々、卒業や別れを惜しんで、新しい環境に変わりたくなくて、バトンタッチがスムーズに行えないことがあります。しかし、季節に春・夏・秋・冬と四季があるように、人生には、何度も変化が繰り返されます。
みなさんの多くは、9月の後半に入り、猛暑と集中豪雨続きだった夏が終わって、ホッとしている人も多いと思いますが、新学期が始まったばかりなのに、「夏休みがずっと続いてくれたらいいのに!」と思っている子どもたちも多いのではないかと思います。振り返ってみると、私は、夏休みが終わってほしくなかったし、新学期になっても学校に行きたくない気持ちで心が一杯でした。リレーのスムーズなバトンタッチが必要なように、人生の節目におけるスムーズなバトンタッチは必要です。
人生におけるバトンとは何でしょうか? まず、変わらないもの、変わってはいけないものです。神と家族と隣人を愛することです。これを生涯貫いていきたいものです。次に、リレーでバトンを受け渡すように、人生の節目の切り替えが必要です。終わった関係や環境に別れを告げ、新しい関係や環境に早く馴染むことです。そうすると、物事の展開がスムーズになり、いつも新鮮でいられ、人生のリレー・マラソンで挫折することはありません。
大切なことは、「変わってはいけないこと」と「変わるべきこと」を正確に見極めることです。どうしたら、それを見極められるでしょうか?人生のロードマップである聖書を読み、人生のナビゲーターである神に祈り、神に聞くことです。今日も、神と共に確かな人生を歩ませて頂きましょう。そして、大切な人生のバトンタッチのタイムングを逸したり、もたついたり、挫折することがないように、しっかりとバトンタッチをしていきましょう。
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菅野直基(かんの・なおき)
1971年東京都生まれ。新宿福興教会牧師。子ども公園伝道、路傍伝道、ホームレス救済伝道、買売春レスキュー・ミッション等、地域に根ざした宣教活動や、海外や国内での巡回伝道、各種聖会での讃美リードや奏楽、日本の津々浦々での冠婚葬祭の司式等、幅広く奉仕している。日本民族総福音化運動協議会理事。
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