順当にいけば、まもなく「iPhone 6」が発売される時期になりました。そろそろ新しいiPhoneに買い換えようと思っている人もいるのではないでしょうか。新しく買うと、やはり大事に使いたいですし、傷をつけたくないものです。だから、傷ついてもいいように、タッチパネルに保護フィルムを貼ったり、カバーを付けたりします。
しかし、iPhoneの生みの親であるスティーブ・ジョブスは、iPhoneにカバーを付けることを邪道と考え、嫌ったそうです。
「iPhoneを落として傷ついたっていいじゃない。僕は擦り傷のついたiPhoneを美しいと思うけどね」「僕たちだって似たようなもんだろう?僕は来年には50歳だ。50年分の傷がついている。傷だらけのiPhoneと同じだよ」
私は今年の7月で43歳になりました。43歳分の傷があります。ジョブスなら、私のその傷を美しいと表現するでしょう。言われてみれば、私の傷こそが、私が生きてきた証です。iPhoneもその傷こそが私のiPhoneである証。 他の持ち物もそう。
ジョブスの逸話を聞くと、「iPhoneも、他の持ち物も、私自身も傷ついたっていいんじゃない!?」って、不思議に納得させられます。
私のiPhone 5sは、まもなく1年が経ちますが、いまだに保護フィルムとカバーが付いています。でも本当は、「傷ついたっていいんじゃない!?」という大らかな気持ちでiPhoneを使いこなした方が愛着がわき、かえって大切に使うようになるんじゃないかと思います。ジョブスの言葉を知って、iPhoneを楽しみ、自由に使いこなしたいと思うようになりました。
私たちを造られた神様は、ジョブスがiPhoneにカバーを付けることを嫌ったように、あなた自身にカバーを付けることを嫌われます。あなたに付けるカバーとは、自分を偽ったり、人の顔色を恐れて付ける仮面のことです。たとい傷がついたとしても、裸のiPhoneが一番美しいように、たとい傷ついても、欠点があっても、素顔のあなたが一番美しいのです。
「わが愛する者よ、わが麗しき者よ、立って、出てきなさい。岩の裂け目、がけの隠れ場におるわがはとよ、あなたの顔を見せなさい。あなたの声を聞かせなさい。あなたの声は愛らしく、あなたの顔は美しい」(雅歌 2:13、14)と聖書は語ります。
神様は、「私から隠れないで出ておいで。あなたの顔見せてごらん。あなたの声を聞かせてごらん。あなたは美しいから」と言ってくださっています。人が傷つくことを恐れて、心を閉ざしたり、仮面をかぶってしまうのはなぜでしょうか?その原因は、心に愛がないことにあります。
聖書は、「愛には恐れがありません。全き愛は恐れを締め出します」(1ヨハネ 4:18)と語ります。「心に愛があるなら、恐れは心から出て行く!」と言うのです。傷つくことを恐れる心には愛はないのです。
ジョブスが、iPhoneのカバーを外して、愛着を持って、徹底的に使い込んでほしいと願ったように、神様は、あなたにハメられたカバーを取り除いて、心を開き、神の愛に包まれ、思いっきり相手の懐に飛び込み、人生を完全燃焼してほしいと願っておられます。
使徒パウロは、「私自身をさえ使い尽くしましょう」(2コリント15:12)と語りました。素顔のあなたが一番美しいです。心を開き、神の愛に満たされて、あるがままの姿で完全燃焼させていきましょう。
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菅野直基(かんの・なおき)
1971年東京都生まれ。新宿福興教会牧師。子ども公園伝道、路傍伝道、ホームレス救済伝道、買売春レスキュー・ミッション等、地域に根ざした宣教活動や、海外や国内での巡回伝道、各種聖会での讃美リードや奏楽、日本の津々浦々での冠婚葬祭の司式等、幅広く奉仕している。日本民族総福音化運動協議会理事。
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