【CJC=東京】ベネズエラで与党、統一社会党が今月1日開催した集会で議員が、昨年死去した反米左翼ウゴ・チャベス前大統領を神格化し、「主の祈り」をもじって「天にまします我らのチャベスよ…我らを資本主義の誘惑に陥らせず、悪から救い出したまえ」と唱えた。
ロイター通信によると、カトリック教会司教協議会が3日、「主の祈りは私たちの主イエス・キリスト本人の口から発せられたものであり、ゆえに触れるべからざるもの」と指摘、「個人礼賛のために国歌の詩を変えてはならないのと同様、主の祈りを変えることも許されない。このもじりを行った人物は、偶像崇拝の罪を犯している」と、抗議声明を発表した。
これに対し、チャベス氏の後継者とされるニコラス・マドゥロ大統領は「新たな異端審問だ」と反発している。
チャベス氏は「21世紀の社会主義」を掲げ貧困対策を推進。貧困層や内外左派勢力の間でカリスマ的人気を維持していたが2013年3月5日、がんとの闘病の末、死去した。
カトリック教会は、強権姿勢を強めていた同氏と対立していた。