日本民族総福音化運動協議会が毎年開催している「ジーザス・ジュン・フェスティバル」が6月30日〜7月1日、東京都新宿区のウェスレアン・ホーリネス教団淀橋教会で開催された。今年11年目を数えるこの集会で、2日目はジャパン・カルバリー・クルセードの巡回伝道者・福澤満雄氏が「リバイバルに用いられる器」と題してメッセージを伝えた。
同協議会は毎年1月には大阪で、6月には東京で集会を開催しており、東京では6月に開催することから「ジュン・フェスティバル」として定着している。東京での集会は聖会としての位置付けが強く、今年のジュン・フェスティバルは平日の開催にもかかわらず2日間で約170人が参加した。
2日目の集会冒頭では、同協議会副総裁の手束正昭氏(日本基督教団高砂教会主任牧師)があいさつ。現在開催中のワールドカップでゴミ拾いをする日本人サポーターが注目されたことや、東日本大震災のときにも暴動を起こさず秩序を守る日本人の姿が伝えられたことに触れ、「優れた倫理性、また能力を持った日本人。しかし、ここに信仰の力、聖霊の力が臨まれたときにどんなに神様が日本という国を用いられるでしょうか」と語った。
1日目は、天野弘昌氏(日本アッセンブリーズ・オブ・ゴッド教団草加神召キリスト教会牧師)が「大リバイバルに備えよ」と題して講演。2日目は、福澤氏が「リバイバルの器」としてモーセを挙げ、リバイバルに用いられる器がどういう者かを伝えた。
エジプト王の悪政で苦しむ同胞のために、80歳で立ち上がり、女子どもも含めると300万人とも言われるイスラエルの民を救い出したモーセ。福澤氏は、「モーセという人は、人類の歴史の中で二度と再び現れないような偉大な神の器です」「モーセの生涯を見る時に、まさに旧約時代のリバイバルリストだったと思います」と語った。
しかし、その偉大な神の器・モーセは、40歳のときにエジプトを追われて以来、荒野で羊飼いの身となり、何十年も神のことばを聞くことなく過ごしていた。モーセが80歳のとき、神は「わたしはあなたをファラオのもとに遣わす。わが民イスラエルの人々をエジプトから連れ出すのだ」(出エジプト3:10)と告げ、モーセを呼び起こす。
荒野にいたモーセを立ち上がらせるため神は何を用いたのかと、福澤氏は問う。「神様は偉大な祭司を遣わしたのではありません。素晴らしいエバンジェリストがモーセのところへ行ったのではありません。モーセが立ち上がるために神様が用いたのは、たった一本の名もない柴の木です」と語った。「私たちはモーセの足下にも及びません」。しかし、「柴の木」にはなれると言い、「神様は人類の歴史の中でいつも偉大なことをなさるときに、必ず名もない一本の柴を用いてきたのだということを知って下さい」と語った。
世界的に著名な伝道者であるビリー・グラハムは16歳のとき、モルデカイ・ハムの伝道集会で信仰を持った。罪を問いただす力強いメッセージで知られていたモルデカイ・ハムの説教を面と向かって聴きたくないため、当時、ビリー・グラハムは聖歌隊に加わっていたという。しかし、聖歌隊の席まで届くモルデカイ・ハムの説教に心迫られ、ビリー・グラハムは悔い改め、イエス・キリストを信じた。
福澤氏は、このビリー・グラハムが回心した集会の前に、ある一人の祈りがあったと紹介した。集会前、「神様、この中からモルデカイの説教を通して、世界を動かすような偉大な伝道者が生まれるようにしてください」という祈りがささげられたという。「神様は名もないひとりの人の祈りを、まさに燃える柴として用いたのです」と、伝道者ビリー・グラハム誕生の裏には、名もないひとりの人の祈りがあったことを語った。
さらに福澤氏は、なぜモーセが一本の柴の木に近づいてきたのか、と問うた。燃えていたからだ。「燃えているのは魅力があります。燃えていることは人々にすごい衝撃を与えます」と福澤氏。「大切なことは燃えていること。火が大きいか小さいかは関係ありません。大切なことは小さくても燃えていること」と、聖霊に満たされ、自身の霊が燃えていることの重要性を語った。
また、ただ燃えるだけではなく、「燃え続けることが大切」だと指摘。「燃え続けるためにはどうしたらよいのでしょうか。それは聖霊の火をいただくことです。繰り返し、繰り返し、聖霊を受けなければ」と強調。さらに、「燃え続けて行くときに大切なことは、祈りの火を燃え続けさせること」と言い、祈りの大切さを語った。
最後には、「リバイバルに用いられる器は燃える柴のような人です。あなたの燃えている姿を見て、モーセのような人が起きるのです。ビリー・グラハムのような人がやがて起き、日本に火を付け、偉大なる業が始まるのです」「誰もがリバイバルリストになるのではありません。でも、誰かが柴のように燃えると、柴となって祈る時にそのようなことが始まることを知って下さい」と語った。
福澤氏のメッセージ後には、多くの参加者が呼び掛けに応じ前に出、参加した牧師たちから按手祈祷を受けた。また、献金と共に、参加者一人ひとりが書いた祈りの課題も集められ、参加者全員で個々の課題のために「草の根の祈り」をささげた。
集会の最後には、同協議会総裁の奥山実氏(宣教師訓練センター所長)があいさつ。「日本民族総福音化運動を覚えて、日本の大リバイバルのために参加して下さい。日本の教会が世界宣教の達成のために用いられるためにお祈りして下さい」と、同協議会の働きと日本のために祈りを求めた。