聖書は、家系の中に「祝福」が連綿と流れることを教えます。
「主は、あわれみ深く、情け深い神、怒るのにおそく、恵みとまことに富み、恵みを千代も保ち、咎とそむきと罪を赦す者、罰すべき者は必ず罰して報いる者。父の咎は子に、子の子に、三代に、四代に。」 (出エジプト記34章6~7節)
自分の子どもたちを見ていると、確かに「家系に流れる祝福」があるのだなあと痛感します。親バカですが、私のDNAだけを遺伝していたら、こんな優れた子は生まれて来なかったと思います。
私自身も、親からの遺伝だけではなく、「家系の中に流れる祝福」をたくさん受け継いで、今の私が存在させられているのだと感じ、感謝しています。私は、「宗教的な家系」に育ちました。父方は、千年以上続く「神社の神主の家系」、母方は、「三代、四代続くクリスチャンであり、牧師の家系」です。私が、今日、牧師をさせて頂いているのは、一方においては、「神の憐れみ」と「選び」ですが、もう一方においては、「家系に流れる祝福」を受け継いでいるからだと思います。
また、母親を含めて、音楽家が親類に何人もいます。この祝福も流れていると思います。「アガペ・キングダム・プレイズ」(略称 AKP153)の音楽活動をしています。まだまだ小さな働きですが、はじまりは小さく、後には、大きな活動に発展して行けたらと願っています。ぜひ、祈り、応援して下さい。
聖書は、「恵みは千代続き、咎は三代、四代続く」とあります。「家系の祝福が千代続く」のに対して、「家系の咎は三代、四代続く」というのは一体どういうことでしょうか。
上記の聖句には、3つの違う「罪」という言葉が使われています。
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① 「罪」⇒的外れの罪
② 「そむきの罪」⇒知っていて意図的に犯す罪
③ 「咎」⇒神の言葉を微妙に歪め、「これくらいはいいだろう」という慢性的な悪習慣の罪
この3つのうち、「罪」と「そむきの罪」は、「家系に流れる」とは書かれていません。個人が罪の結果を負うことになります。しかし「咎」は家系に流れると教えます。
例えば、「嘘をついてはいけない」という教えに対して、大筋では同意しても、「本当のことだけを言っていたら、世の中では生きていけない。嘘も方便だ」と考えたとしたら、神の言葉を微妙に曲げていることになります。これが「咎」です。咎は、親が犯すのと同じようなシチュエーションになった時、子ども、孫、ひ孫、玄孫も同じように犯してしまいやすくなるのです。
連日、都議会本会議で発せられた「セクハラやじ」について大々的に報じられていますが、そんな中、鈴木章浩氏が名乗りをあげました。
それまでの鈴木氏は、TVの取材に対して、「私は言ってない!」ときっぱり疑惑を否定しましたが、「バレる訳ないだろう!?」と高をくくっていたのでしょう。しかし、ことが大きくなり、聞き取り調査がなされ、これから声門分析がなされたら、「バレるのも時間の問題!?」と感じて、観念し、白状したのでしょう。
最初から、素直に認めることもできました。しかし、こういう平気で嘘をつく性質は、代々続く「咎」の影響です。その他にも、「酒癖が悪い」「暴力」「浮気ぐせ」「盗み」「ケチ」「否定的」「怒りっぽい」なども「咎」として、三代、四代の子孫に受け継がれてしまいます。
「咎」が三代、四代に受け継がれるとしたら不公平です。家系によって、差があるからです。祝福された家系、そして、呪われたような家系と、違いがあるからです。親に恵まれた人もいれば、親に恵まれなかった人もいます。みなさんの両親はどういう方でしたか。
愛情豊かで、尊敬できる親に育てられた人は、聖書が教える「父と母を敬いなさい」という教えに素直に従えますが、暴力的で無責任な、とんでもない親に育てられた人は、とても父と母を敬う気にはなれないだろうと思います。
あなたは、自分の親を赦していますか。恨んでいませんか。「こんな親のようには絶対にならない!」「親のようなタイプの人とは絶対に結婚しない!」「この親を絶対に乗り越えてやるぞ!」「今に見てろ!」などの、反面教師的な思いを心の中に持っていないでしょうか。
親を「反面教師」としても、不思議なことは、自分が親の年代になった時に、親と同じように生きている自分に気づいたり、「親のような人とは結婚したくない」と考えていたのに、親と似ている人と結婚し、苦労したり、離婚と結婚を繰り返す人がいるものです。
家系に流れるマイナスの連鎖を断ち切り、そして、家系に流れる千代の祝福を流れさせることはできるのでしょうか。そのためにはどうしたらいいでしょうか。
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① 親や先祖の「罪」「そむきの罪」「咎」を「神様、赦して下さい」と祈る。
② 「神様、親を赦します」と祈る。
③ 親を憎んだり、赦さなかったりした罪を「神様、赦して下さい」と祈る。
④ 自分自身の「罪」「そむきの罪」「咎」を「神様、赦して下さい」と祈る。
⑤ 親を通して受けた心の傷を「神様、いやして下さい」と祈る。
この祈りが終わった後、家系のマイナスの連鎖はストップし、家系に流れる千代の祝福が勢いよく流れて行くでしょう。
あなたの直近の家系には、あんまり尊敬できない人がいるかも知れません。しかし、何十代、何百代をさかのぼって行くならば、素晴らしい人が何人もいるはずです。その祝福が、今あなたの中にも流れています。その祝福に感謝し、それを発展させ、後世にも流して受け継いでいけたら素晴らしいですね。
「咎」や「マイナスの連鎖」を、あなたの代で終わりにしましょう。それは、親を憎み、親に対する反骨精神だけでは不十分です。「親のようになるまい!」とがんばればがんばるほど、ますます悪い影響があなたに流れてしまいます。しかし、神様が遣わした一人子である「イエス・キリスト」を救い主と信じ、神に祈る時に、確実に断ち切ることができます。
多くの宗教には、「因果応報」という教えがあります。自然界にも、「まいたものを刈り取る」法則があります。私たちの地球に「万有引力」の法則があるように、それらは確かな法則です。しかし、「因果応報」や「まいたものを刈り取る」法則を断ち切るのは、「人にはできないことも、神にはできる」のです。
あなたは、特別に神に祝福された人です。呪いはせき止められ、千代の祝福があなたに与えられています。
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菅野直基(かんの・なおき)
1971年東京都生まれ。新宿福興教会牧師。子ども公園伝道、路傍伝道、ホームレス救済伝道、買売春レスキュー・ミッション等、地域に根ざした宣教活動や、海外や国内での巡回伝道、各種聖会での讃美リードや奏楽、日本の津々浦々での冠婚葬祭の司式等、幅広く奉仕している。日本民族総福音化運動協議会理事。
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