名古屋市のキリスト聖書神学校(CBS)創設者で校長、またローザンヌ運動総裁であるマイケル・オー氏(43)が、日本で宣教する理由について語った。
スイスのローザンヌで今月5日から9日まで開かれたローザンヌ運動40周年記念行事を終えた後、オー氏は韓国を訪問。日曜日の18日にはソウル市内の教会で礼拝に参加し説教を取り次いだ。オー氏は、「Come be a Nobody for Christ」と題した説教で、ヨハネによる福音書3章30節からメッセージを伝えた。
韓国系アメリカ人であるオー氏は、様々な人から「なぜ多くの国がある中で日本を(宣教地として)選んだのか」と尋ねられるという。父親は創氏改名により韓国姓を名乗ることができなかったというが、「私の理由は単純です。神様が敵をも愛するようにされたから」とオー氏。「神様が日本人を愛するので、私も日本人を愛する。日本人が福音を受け入れることができれば、喜んで自分の命も捨てる覚悟ができている」などと語った。
また、「プロテスタント人口が0.2%に過ぎない日本は、性的に乱れており、引きこもりなどに見られるように、人間関係や家族の崩壊がある」と日本が抱える諸課題にも言及。だが、「そのために神様は私を呼んで日本を愛するように言われた」と、日本で宣教する想いを語った。
オー氏は今年2月には、東京で行われたローザンヌ運動40周年記念講演でも、「これからの世界―宣教の焦点と教会が問われる課題」と題して講演している。ローザンヌ運動が取り組む3つの宣教指針を紹介し、日本のクリスチャン人口が10倍にも50倍にもなる神の働きが「みなさんを通してなされると信じている」と、参加した日本の教会関係者に展望と期待を語った。
オー氏は昨年3月、次世代を担う若手リーダーとして、全世界の福音派諸教会に大きな影響を与えてきたローザンヌ運動の新総裁に任命された。若くして神学校の校長を務めているが、ペンシルバニア大学(政治科学学士号、教育学修士号、教育指導・人間学博士号)、トリニティ神学大学(牧会学修士号)、ハーバード大学(東アジア研究専攻における修士号)を修了している。
世界中に広がるローザンヌ運動は、日本では日本ローザンヌ委員会が主体となって活動を行っている。2013年から2015年までは、「ケープタウン決意表明」の6項目をテーマに年2回計6回のシンポジウム「包括的な日本宣教を考える」を開催している。来月7日には東京で第3回目となるシンポジウムを開催、小さな命を守る会前代表で春日井聖書教会協力牧師の水谷潔氏らがパネリストとして発題する予定だ(関連記事:日本ローザンヌ委員会、来年6月にシンポジウム 「キリストの教会を謙遜と誠実と質素に呼び戻す」)。