【CJC=東京】『国際アムネスティ』はメキシコ・ココヨックで国際評議員会議を8月17日まで約1週間の日程で開催した。『国際アムネスティ』はこれまで妊娠中絶については中立的姿勢をとって来たが、今会議で、女性の権利擁護の立場から、虐待の一環としての強制妊娠などの場合には中絶を認める方針を正式に打ち出した。
カトリック教会は、いかなる場合にも中絶を認めない立場から、これまでも『国際アムネスティ』に対し、状況によっては支援姿勢を撤回することもあり得る、と警告していた。バチカン(ローマ教皇庁)と平和評議会議長のレナート・ラファエレ・マルティーノ枢機卿は、中絶の権利を認めた場合、「カトリック信徒、団体は支援を撤回しなければならない」と指摘していた。『国際アムネスティ』はその使命を裏切った、としている。
英イーストアングリアのマイケル・エヴァンス司教は、『国際アムネスティ』が妊娠中絶支持を打ち出したことから、脱退を決めた。
「カトリック教会は、妊娠中絶によって深い心の傷を負った女性が罰せられることは望まない。同情と癒しが必要だ。しかし、女性に対する広範な暴力に関する私たちの憤りで、最も傷つきやすくて無防備な人間の生を保護するという義務に関する判断を曇らせるべきでない」と、同司教は説明する。
同司教は国際児童の権利条約を引用して、子どもが「出生後と同様、出生前にも正統な法的保護を含む特別な保護及び援助を必要とする。これは確実に国際アムネスティが心がける国際的人権法の一部ではないか」と述べている。