日本キリスト伝道会(原登会長)主催「第39回日本伝道の幻を語る会」が27日、千葉県の山崎製パン企業年金基金会館で始まった。午後2時からの開会礼拝、講演会に続いて行われた午後7時からの集会で岸義紘氏(JTJ宣教神学校学長)は、私たちに約束されている聖霊は、私たちをキリストの証人とする力であり、また、「イエスは『例外なく』すべての人のために十字架で死なれ、死人の中から復活された」「人はイエスが救い主だと信じる信仰『だけ』で救われ、宗教的な儀式、その他一切を救いの条件として加えてはならない」とする福音への正しい理解を得させるものであると説いた。
大会は、日本の1千万人をキリストに導くことをビジョンに掲げる日本キリスト伝道会が、日本宣教の更なる発展を促すために毎年開催している。今年は、全国から教職や信徒ら約100人が集まった。
岸氏は講演で、聖書は私たちが聖霊の力を受けることを約束しており(使徒1:8)、聖霊の力は私たちを「私(イエス・キリスト)の証人」(同)にする力であると説いた。
イエスは最後の晩餐の告別説教で弟子たちに、何度も「もうひとりの助け主」(ヨハネ14:16)、聖霊について強調した。聖霊は、「真理の御霊」(14:17)であり、「すべてのことを教え」、イエスが話した「すべてのことを思い起こさせ」(26)、「わたし(イエス・キリスト)について証しする」(15:26)とある。
岸氏は、伝道する上で大切なことは、神を知るための「知恵と啓示の霊」(エペソ1:17)による福音の正しい理解であることを強調した。
使徒の働きを見ると、エルサレムの使徒たちにはその10章の場面に至るまで、たとえ異邦人であってもイエスを信じれば救われるという福音の正しい理解が欠けていた。また15章では、ユダヤ人のクリスチャンが「異邦人にも割礼を受けさせ、またモーセの律法を守ることを命じるべきである」(5)と主張しており、イエス・キリストを信じる信仰によってだけ救われ、救いの条件としてほかに何も付け加えてはならないとする福音の真理が曲げられていた。
最新のギャラップ調査によると、日本のクリスチャン人口は4%だという。だが、教会に集い、共に主を礼拝するクリスチャンは人口の1%にも満たない。岸氏は、一生懸命で信仰熱心な日本の教会の中にも、救いに何かと条件をつけて、信仰生活を共に歩む兄弟姉妹に余計な重荷を負わせるような律法主義の負の要素が残っていないだろうかと指摘した。
岸氏は、「聖霊が福音の真理を与える」「福音の真理を知識的に正しく、総合的に理解することは、愛を実践する先行条件」と語り、日本のクリスチャンがもう一度聖霊の力によって、福音の真理を正しく理解することが重要だと強調した。