五輪3連覇の女子レスリング選手・吉田沙保里さん(31)の父で、自身もレスリング元全日本王者である吉田栄勝さん(61)が11日午前7時15分ごろ、三重県津市の伊勢自動車道の路肩に止まった車内で死亡しているのが発見された。三重県警高速隊によると、車はガードレールに接触しており、死因はくも膜下出血だという。国内各紙が伝えた。
同高速隊によると、現場は津インターチェンジの南約500メートルの地点にある穏やかなカーブ。ガードレールに接触し、その後300〜400メートルほど走行して路肩に止まったと見られている。
栄勝さんは、東京のトレーニングセンターに向かうため、至学館大学(愛知県大府市)に選手を迎えに行く途中だったという。車内でぐったりしている栄勝さんを別の車の運転手が発見し110番。病院に運ばれたが死亡が確認された。
専修大学時代、男子フリースタイル57kg級選手として1973年の全日本レスリング選手権男子フリースタイル57kg級で優勝。同年にテヘラン(イラン)で開催されたレスリング世界選手権及びウランバートル(モンゴル)で開催されたレスリングアジア選手権に男子フリースタイル57kg級日本代表として出場。アジア選手権では銀メダルを獲得した。
2009年にレスリング女子日本代表コーチに就任、2010年にアジア選手権では女子チーム監督を務め、2012年のロンドンオリンピックでは女子代表チームコーチを務めた。
娘の沙保里さんは、栄勝さんの指導で3歳からレスリングをスタート。2004年アテネ、2008年北京、2012年ロンドンと、五輪女子レスリング3連覇を達成したほか、各世界選手権で優勝を重ねている。