JR川崎駅付近で23日午前1時過ぎ、京浜東北線の上り回送電車が工事用車両と正面衝突する事故が発生した。衝突により10両編成の回送電車は先頭の2両が脱線、1両目は横転した。国内各紙が伝えた。
報道によると、事故により回送電車の運転手(34)と車掌(25)の男性2人が軽傷を負った。事故時、2人は車両の中に閉じ込められたが、消防隊員が窓を割って救出した。
JR東日本は同日午前に記者会見を開き、事故当時の状況に付いて説明。時速60キロで走行していた回送電車が、約100〜200メートル手前で工事用車両に気付き、非常用の汽笛を鳴らしてブレーキを引いたが間に合わなかったという。
朝日新聞が伝えたところによると、工事はこの回送電車が通過した後に行われる予定で、作業前には電車が入ってこないよう停止信号を送ることになっていた。しかし、事故当時は停止信号は送られていなかったという。
事故を受け、運輸安全委員会は事故の調査官2人を現地に派遣し、調査を開始した。
事故の影響による運行スケジュールの遅れについて、JR東日本は「京浜東北線は、川崎駅での脱線事故の影響で、蒲田~鶴見駅間の上下線で運転を見合わせています。運転再開までには相当な時間がかかる見込みです。大宮~蒲田駅間・鶴見~大船駅間の上下線で一部列車が運休となっています」(23日午後1時30分現在)と発表している。