児童養護施設などから抗議を受けている新ドラマ『明日、ママがいない』(15日放送スタート)について、同ドラマを放送している日本テレビの大久保好男社長は、27日に開いた定例の記者会見で「事態を重く受け止めている」と述べた。しかし、内容の変更や放送の中止はしない意向を明らかにした。朝日新聞などが伝えた。
大久保社長は会見で、子ども達への配慮が足りないなどとする抗議や意見について「重く受け止めている」と語った。しかし、その上で最後までドラマを見れば制作の意図が分かるとし、抗議などを理由に放送の予定を変更することはない考えを示した。
『明日、ママがいない』をめぐっては、「こうのとりのゆりかご」(赤ちゃんポスト)を設置している慈恵病院が放送中止と謝罪を求めていたほか、約600施設が加盟する全国児童養護施設協議会も「養護施設の子どもや職員に対して誤解や偏見を与えかねない」と抗議し、子どもをペット扱いするなどの暴言や暴力表現について改善を求めていた。
これら抗議が重なったことなどから、同ドラマのスポンサー8社の内、エバラ食品工業とJX日鉱日石エネルギー、キューピー、日清食品、富士重工業の5社が同ドラマ放送中のCM放送を見合わせている。
CM放送を見合わせた各社は、「何年間も提供社として放送枠を支えてきたが、当社に電話で苦情が多数届いたから」(エバラ食品工業)、「番組内容と視聴者や顧客の反応から判断し、決めた」(キューピー)などと理由を説明している。