【CJC=東京】サンタは既に世界中の子どもたちにプレゼントを配り終わったかもしれないが、米国では一部の議員や保守団体はなお、「クリスマスを妨害する試み」と見なす動きへの警告を続けている。
「クリスマス戦争」とも呼ばれるこの動きは、「メリークリスマス」と書かれたカードの代わりに、「ハッピー・ホリディズ」だとか「シーズンズ・グリーティング」と書かれたカードが使われることでもわかる。
テキサス州では、学校の子どもたちが退役軍人たちに「メリークリスマス」と書かれたカードを渡そうとしたところ、特定の宗教の言葉を禁じた規則に反するとして復員軍人援護局に拒否されるという出来事があった、とAFP通信。バラク・オバマ大統領の公式なカードにもクリスマスへの言及はない。
共和党のダグ・ランボーン下院議員(コロラド州)ら37議員は、このような動きをクリスマスに対する攻撃と見なし、「クリスマスのシンボルと伝統は、それを祝う人々が使うために保護されるべきだ」とする決議案を提出した。
拘束力のないこの決議案の提出には民主党議員2人も加わった。その1人ニック・レイホール下院議員(ウエストバージニア州)は、「『メリークリスマス』という由緒あるあいさつの言葉を、『ハッピーホリデーズ』などといった空虚な言葉に置き換えるなんて、ばかばかしいの一言に尽きる」と言う。
ランボーン議員はクリスマスイブの24日、FOXニュースに対し、「声高に意見を主張する少数派が、クリスマスを祝いたい残りの人々に対して腹を立てている」と述べ、「こういった禁止措置に甘んじてはいけない」と世間に呼び掛けた。
だが、FOXニュースの番組に出演した著名テレビ伝道師でテキサス州ヒューストンにある全米最大のメガチャーチ『レイクウッド教会』のジョエル・オスティーン牧師は、こうした見方に対して冷静な姿勢。クリスマスから宗教的な意味合いをなくしたいと考える特定の団体があると指摘した上で、「私はそれほど心配していない」と述べ、「誰もが私と同じように信仰をしているわけではない。この国にいる全員がキリスト者というわけではない」と加えた、とAFP通信は報じている。