米ワシントン州パスコ市を拠点して活動するキリスト教福祉団体「トリシティー・ユニオン・ゴスペル・ミッション(Tri-City Union Gospel Mission)」の老朽化した建物を修繕するため、同地域マクドナルド数十店舗が数週間にわたって11万5000ドル(約1200万円)の修繕費を集めた。米クリスチャンポストが24日報じた。
ワシントン州トリシティズ圏に位置するマクドナルド店舗がそれぞれ1ドリンクの売り上げがあるごとに40セントを同施設修繕費のため寄付するプロジェクトを掲げた。同プロジェクトは同地域のマクドナルド店舗を管轄する企業アダムズ・エンタープライズのイニシアチブによって開始された。その他同地域の複数のレストラン経営者らも同プロジェクトのための献金に参加したという。
トリシティー・ユニオン・ゴスペル・ミッションのサービス・ディレクターであるバイロン・ブルックス氏はクリスチャンポストに対して、「私たちの地域の恵まれない人々を支援するために賛同してくださり、彼らのビジネスによって恵みを返す機会と見なしてくださいました」と伝えている。
同イニシアチブでは老朽化したキリスト教福祉団体施設を新築するために1050万ドル集めることを目標に掲げており、マクドナルド店舗、その他関連企業、ビジネスパートナーに資金集めが呼びかけられている。
トリシティー・ユニオン・ゴスペル・ミッションは2015年にも老朽化した施設が新築できることを目指しており、さらに多くの恵まれない人々への宿泊場所を提供すること、また一般教育終了検定(GED)通過のためのコンピュータを用いた教育を施すことなどを計画している。
同施設は築106年と老朽化が進んでおり、様々な老朽化問題が発生していたが、一度も修繕されていない状態だという。
ブルックス氏は「暖房もなく、外面は老朽化が進んでいます。105人の人々が住むには建物は狭く込み入っています。うち50人は床にマットを敷いて宿泊しています」と現状を伝える。
トリシティー・ユニオン・ゴスペル・ミッションでは毎日250食を恵まれない人々に提供している。一方、施設内のダイニングルームでは34席しか座席を提供できない状態にあるという。施設の老朽化、飽和状態にもかかわらず、必要を満たすため恵まれない人々に3食提供、宿泊場所、シャワーや衣服などの提供も継続して行っている。
ブルック氏は同施設を利用している失業状態にある恵まれない人々について「彼らは一時的に労働市場から離されていますが、その原因の1つとして精神的な問題があります」と語る。ブルック氏は、同施設新築後は「ただ宿泊場所や食事を提供するだけでなく、彼らの生活そのものを転換するプログラムを提供できる場所にしたい」との今後の目標を伝えている。