日本キリスト教協議会(NCC)がクリスマスに際し、キリスト教界の一致、諸外国との主にある交わり、平和と和解の福音のための働きのために献金を募集している。NCCのクリスマス献金の目標額は500万円で募金期間は来年3月31日まで。
NCCは献金のクリスマス献金のお願いとして、「1923年の日本基督教連盟の創立から数えて90年の歴史を刻んでまいりました。私たちの歩みと働きを導いてくださった歴史の主なる神に感謝し、また、日ごとに変わらず、NCCを支えてくださっている皆様や、加盟教団・団体の方々に心からの感謝申しあげます」とし、NCCの働きを祈りに覚え、支えるよう呼びかけた。
NCCの働きとして挙げられた3種類の働きの1つとして、キリスト教一致祈祷週間のプログラムなどのキリスト教界の一致の働きがある。NCCは「すべての人を一つにしてください」(ヨハネ17章21節、新共同訳)の聖句にある主イエス・キリストの祈りを最も大切なものとし、主にある一致を具体化するため共同の祈りの場を設け、教会間の対話と共同の働きを大切にするとした。
また、海外のキリスト教機関との交わりとして、NCCはアジア・キリスト教協議会(CCA)や、世界教会協議会(WCC)と深い関わりを持ち、祈りと課題を共有しているという。この働きの例として、NCCはタイのバンコクで今年9月に開催されたChristian Conference of Asiaに参加したことを挙げた。
平和と和解の福音としてのNCCの働きとして挙がったのは、冊子『たいせつにしたいもの 平和憲法9条』だった。NCCは民族間の紛争、戦争、難民、災害などを挙げ、これによって流される涙を少しでもぬぐえる働きを祈り求めるとし、これに加えて平和憲法を守り、日本が再び過った道を歩みだすことのないよう、見張りの務めを果たしているとした。
NCC書記の有住航伝道師(日本基督教団早稲田教会)は同献金の呼びかけに際し、放射能汚染による健康被害と原子力の問題、激化するヘイト・スピーチの問題、外国籍住民・女性・「障害」者・部落出身者への差別の問題、憲法9条の「改正」や首相の靖国参拝の問題を挙げ、これらを社会の「破れ」と呼び、これに対向する「ことば」と「行い」を生み出して、その働きに具体的に取り組むためにNCCは専門の委員会を設置し活動を続けていると説明した。
有住氏は財政的、人的な不足を感じると述べつつも「肩を寄せ合い、知恵を出し合い、祈りを合わせて、共に働いてきたいと願っています。ぜひNCCの働きのために献金をお寄せください。また、様々な形で共にNCCの働きを支えてくださいますようお願いいたします。クリスマスを迎えるこの時、皆さまの上に主の平安がありますように」と呼びかけた。