【CJC=東京】中国カトリック教会上海教区のタデウス馬達欽(マー・ターチン)補佐司教が10月24日、市内にある葬儀場「龍華殯儀館」で行われたシェン・バオイ氏の葬儀に参列、遺体を祝福した。
政府公認のカトリック教会「天主教愛国会」のアロイジウス・ジン・ルシャン補佐司教の後継者と見られていた馬司教だが、2012年7月、愛国会に属すことは自分の宣教と相容れないと発表して以来、シャーシャン神学校に軟禁されている。
シェン氏は光啓出版社編集長を務め、10月20日、90歳で死去した。同社は1970年代後半に宗教活動への規制が緩和されてから最初に設立されたカトリック出版社。馬司教は、シェン氏の遺族に慰めの言葉を掛けた後、退出したという。
カトリック通信UCANは、馬司教軟禁が「最近になって僅かながら緩和されたようだ」と報じている。この7月には、当局側の同行があったものの、革命の聖地とされる井崗山を訪問している。これが当局への恭順を示す「象徴的姿勢」だったと指摘する向きもある。ただUCAN通信は、馬司教が釈放され、すぐに宣教復帰が許されると見るのは早計としている。