【CJC=東京】バチカン(ローマ教皇庁)は7月10日、聖座(バチカン)の承認なしに司教に6日叙階された中国黒龍江(ハルビン)教区のヨセフ岳福生(ユエ・フシェン)神父は「教会法1382条に基づき課された制裁を、自動的に招いた」とする声明を発表した。聖座は岳氏を司教とは認めず、ハルビンの司祭は同氏の指示に従う義務はない、と言う。
声明はまた、タデウス・馬達欽(マ・ダキン)神父の上海教区補佐司教叙階を称賛、7日の式典を「力付けられ、歓迎すべき」だった、としている。馬司教は聖座と中国政府双方の承認の下に司教に叙階された。
ただ馬司教は、式典の中で、政府公認の天主教愛国会脱退を表明、参列者の熱烈なかんげいを受けた。またカリス(聖杯)を、政府承認だけで叙階した司教たちと共に捧げることはしなかった。
叙階直後、馬司教は当局に拘留され、翌日に予定されていたミサ執行にも姿を見せなかった。神学校で「休息中」とも報じられた。友人たちは、馬司教は囚人扱いされ、拘留も数カ月にわたると見ている。
バチカンの声明は、ハルビンで行われた違法叙階について、7月6日の式典に参列した司教は「聖座に釈明しなければならない」としている。
バチカンは非承認の司教叙階は無効であり、その司教だけでなく、叙階式典に列席した司教は自動的に破門処分となる、と警告してきた。ただバチカンは、司教が列席を強制された場合、自動破門は発生しない、とも指摘している。
馬神父には、司教候補として聖座は承認しないし、承認のないままに司教叙階を受け入れないように警告していたという。