【CJC=東京】バチカン(ローマ教皇庁)の財政管理組織「宗教事業協会」(バチカン銀行)は10月1日、バランスシートを含む2012年のアニュアル・レポート(年次報告書)を初めて公表した。資金洗浄の隠れみのに使われる例が後を絶たない同行の、透明性を高める努力の一環と見られる。
総資産が71億ユーロ(9340億円)と見られる同行の12年末現在利益は8660万ユーロ(約114億円)。その内5470万ユーロ(約72億円)を聖座(バチカン)に献金した。
バチカン銀行は1942年設立。預金者や資金の動きを他国の捜査当局にも公開しないことで、その不透明さが指摘され、欧州連合(EU)などから改善を求められてきた。