【CJC=東京】バチカン(ローマ教皇庁)の財政管理組織『宗教事業協会』(通称バチカン銀行)は7月31日、同行の概要などを掲載したホームページを公開した。同行を経由したマネーロンダリング(資金洗浄)疑惑が絶えないことから、運営の透明性を高めて信頼回復を図る狙い。
ホームページでは、同行が1942年設立以来71年にわたる歴史を紹介、カトリック関係団体や聖職者らの顧客数が2012年1万8900だったこと、職員数114人なども記載されている。同年の預かり総資産が63億ユーロ(約8249億円)で純利益8660万ユーロ(約113億円)だったことも明らかにしている。
同行はバチカン資産の管理・運用を担当するが、預金者や資金の動きを他国の捜査当局に公開しないなど不透明さが指摘され、欧州連合(EU)などから改善を求められていた。
資金清浄の隠れみのに使われる例が後を絶たず、教皇フランシスコは6月に運営状況に関する調査委員会を設置した。教皇は7月28日の記者会見でも「透明性と正直さが必要」と改革の決意を示している。