「ツキを呼ぶ魔法の言葉」って、一体なんでしょうか。幸運を呼ぶ言葉なんて、本当にあるのでしょうか。
実は、「ツキを呼ぶ魔法の言葉」というのは、五日市剛(いつかいち・つよし)さんの講演記録をまとめた小冊子の題名です。書店で売られていないのに、口コミで数十万部も出たそうです。後に数種類の本になりました。
大学院生の頃自分の研究に行き詰まり、人間関係にもひどく悩んでいた五日市さんは、現実逃避でイスラエルを一人で旅行しました。旅先でもトラブルが続き、飛行機の遅延、財布の紛失、詐欺被害で所持金のほとんどを喪失。ある日大寒波が襲来しましたが、泊まる宿も見つからない。「なんで俺だけこんな目に遭うんだよ!」「俺ほどツイてない人間はいない!」と嘆いていました。
そんな時に、一人の親切なユダヤ人のおばあさんに出会い、お宅に泊めてもらいました。ツキから見放されていた五日市さんを見かねたおばあさんは「ツキを呼ぶ魔法の言葉」を教えてくれたのです。
日本に帰国後、この言葉を実際に使い始めたら、どんどん幸運が引き寄せられてきました。まず人間関係が驚くほど改善して研究が進み、工学博士号取得。一流会社に就職後、ヘッドハントされ転職。転職先では億単位の開発費が用意され世界的な発明をして、新規事業が2年でトップシェアに。理想の女性と出会い、めでたく結婚。まさに、いいことずくめです。
さあ、「ツキを呼ぶ魔法の言葉」とは、どんな言葉なのでしょうか。
なんと、「ありがとう」「感謝します」のたった二つの言葉なのだそうです。嫌なことがあったら、「ありがとう」。良いことがあったら、「感謝します」。簡単ですね。これなら誰でも言えます。
五日市さんがイスラエルで出会ったユダヤ人のおばあさんは、ユダヤ教の聖典である旧約聖書を毎日読んでいたはずです。聖書には至るところに、「どんなことにも神に感謝せよ」「すべてのことついて神に感謝しなさい」と書かれています。
おばあさんは聖書の言葉を実践して、幸運を引き寄せていたのですね。聖書には、「悪い言葉を使わないように、口に気をつけなさい」とも書かれています。
私の知り合いに、会社の不満ばかり言っている人がいます。「うちの会社は同族会社だから、社長の親戚でなければ絶対に役員になれないんだ。いくら働いたって全然希望がないよ」「上司ときたら、無能なのに威張ってばかりいる。部下は部下で、まるでやる気がないんだ。ああ、いやだ、いやだ。こんな会社早く辞めたいよ!」
そのうち彼は仕事に失敗して、会社を首になってしまいました。再就職先が見つからず困っています。「こんな会社早く辞めたいよ!」と言っていた通りになったのです。
朝から晩まで文句ばかり言っていると、幸運は逃げていきます。「ああ、雨が降ってきた。チクショー、ツイてないなあ!」「今日は日差しが強くていやだわ。外を歩いたら皮膚ガンになってしまう!」
ふだん何気なく口にしている言葉に気を付けてみると、かなり否定的なことを言っていませんか。悪い言葉によって、悪い運を引き寄せているのですね。「口は災いのもと」ということわざの通りです。
五日市さんは、「ありがとう」「感謝します」のほかにも、いつも前向きに「ツイている!」という言葉を口ぐせにしていると、「必ずツキがやってくる」と言っています。不安や心配に襲われた時には、すぐに「キャンセル、キャンセル」と言うと良いそうです。「口は幸いのもと」でもあるんですね。
これも聖書に書いてあることなのです。「ツイている!」ということは、「あなたを死ぬほど愛している神さまは、いつもあなたにツイていてくださる」ということです。「明日のことを思い煩ってはならない」とか「どんなことにもくよくよするな!」(ドント・ウォリー!)という聖書の言葉が、不安や心配の思いを断ち切るために、「キャンセル、キャンセル」という言葉として用いられているわけです。
でも、人間ですから、つい否定的な言葉を言ってしまいます。そんな時は、「否定語」で終わらせないで、それを打ち消して、「肯定語」で終わらせることです。
「もうダメだ!」、でも「神がツイてるから、なんとかなるだろう!」「あまりにもヒドすぎる!」、でも「神は絶対に回復してくださる!」「人間にはとても不可能だ!」、でも「神にはできないことは、何もない!」
「神を信じる」ということは、あなたの心の一番深いところで愛の神と出会い、すばらしい神とあなたが永遠に結ばれるということです。宇宙万物の創造主、全知全能の完全なる愛の神と永遠に結ばれたならば、すべてのことはあなたのプラスにされていきます。
一時的な苦しみや、悲しみや、失敗や、喪失は、あなたと神との関係を深める力となります。そして、神の内にすべての恵みと祝福を発見するのです。キリストを知ることの「絶大なる価値」を見出すのです。「わたしは、キリストのゆえにすべてを失ったが、それらをごみ屑にすぎないと思っている!」とパウロに言わしめた、その「絶大なる価値」です。「なにも持っていないようであるが、わたしは、すべてのものを持っている!」とパウロに言わしめた、その「絶大なる価値」です。
エチオピアの親しい友人から聞いた話です。大干ばつによる飢餓状態が続いた彼の村では、「神を賛美しつつ、神に感謝しながら」多くの村人たちが、満面の笑顔で、両手を天に向けて、静かに死んでいったそうです。彼らは、「天国に行ける!」という大きな喜びをもって、召されて行ったのです。
あなたの人生は、真の意味で「ツイて、ツイて、ツキまくる!」以外の何ものでもありません。朝から晩まで、事ある毎に、「ありがとう!」「感謝します!」と言い続けましょう。
「ツキを呼ぶ魔法の言葉」とは、本当は、「ツキを呼ぶ聖書の言葉」なのです!
佐々木満男(ささき・みつお)
国際弁護士。東京大学法学部卒、モナシュ大学法科大学院卒、法学修士(LL.M)。インターナショナルVIPクラブ(東京大学)顧問、ラブ・クリエーション(創造科学普及運動)会長。
■外部リンク:【ブログ】アブラハムささきの「ドントウォリー!」