昨年ブータンの若い王様と王妃様が来日し、国民の幸福度が世界一高い国として大変話題になりました。しかし、最近のネット社会の影響で世界の情報が入り始めると、今までの農業中心のライフスタイルに我慢できない若者が日ごとに急増。仕事もせず、アル中になって国が破綻しつつあるそうです。やはり、神の知恵によらなければ、人間の知恵だけで幸せを作ることは無理なのです。この年の後半、私たちはクリスチャンですから、神と共に人生設計をしましょう。
今日の聖書箇所では、ある人がイエスの元に来て真面目な質問をしています。イエスはその心を見抜かれて、守り通すべき律法の中心点を語られました。するとこの人は、躊躇なくそれらをすべて守っていると答えます。しかし、イエスはその次を言いたかったのです。「持ち物をみな売り払い、貧しい人たちに与えなさい…」。すると顔を曇らせ、悲しみながら立ち去ったのです。イエスの言われた、たった一つのことに手を付けることもせず、主の恵みから目をそらしたのです。
1.次の一手、次の行動が恵みをもたらす
この人は、人生を無駄にしていたのではなく、律法を守り、一生懸命に生きていたのです。
将棋や囲碁には、交互に一手ずつ打つというルールがあり、好き勝手に何手も打つことはできませんし、うまくいかないから後戻りしたり、一方的にやめたりすることはできません。私たちの人生も同じです。どんなことも次の一手を打つしかありません。ゲームならやり直せますが、人生は後戻りできません。この半年、自分なりに、人間関係も生活や学びもやってきたと、私たちもこの人のように言いそうです。その私たちに、主は人生を変える次の一手を、必ず語ってくださいます。信仰を持って、主の御声を受け止め、信仰の込められた次の一手を打っていきましょう。
2.理屈ではなく具体的な行動を起こす
イエスの言われたことは非常に難しくて、私たちには、尻込みするようなことに思われます。でも妥協なく律法を実行できるこの人物には、当然できたはずのことだったのです。自分の食事の1回分、古着の1枚でも貧しい人に施し始めさえすれば、神の救いがもたらされたことでしょう。この人物は神の国に近かったのです。欠けているのはたった一つでしたから。それに取り組めば、すべてが明らかにされて、今までの律法の行ないは単に自分のためだったことに気づき、救いの体験をしたでしょう。それなのに、ただ暗い顔をして立ち去ってしまい、たった一つの次の一手を打つことができなかったのです。
そもそも主は、私たちにできないようなことは初めから要求されません。あなたがしようと思えばできるはずです。失敗の多かったペテロが選ばれて、主のしもべ、使徒として用いられた秘訣は、主の言葉を聞き、不器用でも、常に次の一手、行動を起こしたことです。
この半年間、神の御声を素直に聴いて、神に喜ばれる行動を起こしましょう。病気の癒やしも、仕事の祝福も、身近な人のための救いも、諦めずに常に次の一手を打つ具体的な行動を起こすことです。
万代栄嗣(まんだい・えいじ)
松山福音センターの牧師として、全国各地、そして海外へと飛び回る多忙な毎日。そのなかでも宗教を超えた各種講演を積極的に行っている。国内では松山を中心に、福岡、鹿児島、東京、神戸、広島、高松にて主任牧師として活動中。キリスト教界のなかでも、新進気鋭の牧師・伝道者として、注目の的。各種講演会では、牧師としての人間観、ノイローゼのカウンセリングの経験、留学体験などを土台に、真に満足できる生き方の秘訣について、大胆に語り続けている。講演内容も、自己啓発、生きがい論、目標設定、人間関係など多岐にわたる。
また、自らがリーダー、そしてボーカルを務める『がんばるばんど』の活動を通し、人生に対する前向きで積極的な姿勢を歌によって伝え続け、幅広い年齢層に支持されている。
国外では、インド、東南アジア、ブラジル等を中心に伝道活動や、神学校の教師として活躍している。