【CJC=東京】イスラエル北部ガリラヤ湖北西岸のミグダル(マグダラ)でイスラエル考古局の学者ディナ・ゴルニ氏らが、イエス・キリストの時代のものと見られるシナゴーグ跡を発掘した。これまで発見した古代のシナゴーグでイエスの時代にまで遡れるのは、これを含めて僅か7カ所しかないという。
当時、マグラダは漁村として繁栄していた。イエスも住み、福音を述べ伝え、数々の奇跡を行ったと推測される。
シナゴーグが発見されたのが地下50センチという浅さから、これまでその上に新たな建築が行われていないと見られ、関係者は「ポンペイのように、発見されるのを待っていたのだ」と語っている。
エルサレムの教皇庁研究所長のフアン・マリア・ソラナ神父は、エルサレムに赴任した7年前から、巡礼を迎えるための教会とホテルをガリラヤ湖畔に建設するのが夢だった。4年がかりの募金で、土地を購入、整地を始めたところでシナゴーグを発見した。
新約聖書は、イエスがマグダラで宣教したと特定してはいないが、ソラナ神父は、シナゴーグ発見で再検証が必要になろう、と語る。
イエスが実際にこのシナゴーグにいたことがあるかは推測の域を出ない。ソラナ神父は、「最初のキリスト教共同体がシナゴーグに集まったことは確かだ。忠実なユダヤ教徒だったのだから当然のこと」と言う。
発掘が完了すれば、露天博物館として遺跡を保全したい、とソラナ神父。当初計画していた教会とホテルは近隣に建設するそうだ。