今日は有名なタラントのたとえの箇所です。このタラントから派生して、特別な能力や才能を持つ人を意味するタレントという言葉が生まれました。しかし、預かったタラント、財産をそのまま返して主人の怒りを買った3番目のしもべのような失敗を起こす危険性が私たちにもあります。気をつけましょう。今年のテーマはプラス・ワン。その秘訣を3番目のしもべの失敗から学びましょう。
1.引っ込み思案に注意
自分の引け目や劣等感などからくる引っ込み思案に注意しましょう。ここで、主人はしもべの能力に応じてとありますが、平等が重視される日本では、おかしなことになります。主人は不平等、どうせ自分は3番目で、1タラント。まるで自分の価値を失ったかのように思い、ひねくれて何もしないで終わってしまうのです。しかし5タラントの人は、すぐに出て行ったと書かれています。自分の能力に応じて与えられたものを積極的に活用したのです。
私たちはこの1年、プラス・ワンの信仰を掲げているのです。自分はそんなに能力はない、認められない、あの人のようではないという思いが、引っ込み思案に通じ、消極的になり、結局何もしないで終わりませんように。そういう悪いパターンではなく、与えられたチャンスを感謝して行動を起こしたいのです。
2.行動しない言い訳をしない
3番目のしもべは、1タラントのまま差し出すことに引け目を感じたのでしょう。自分が何もしないこと、失敗や欠点、愚かさを隠そうとして、とんでもない言い訳をしました。
世界には、実際いろんなチャンスがあるのです。しかし、いい話があっても、日本人は失敗することを恐れ、「本社に持ち帰って相談します」と必ず言うそうです。その間に、中国や韓国に持って行かれ、日本人の慎重さが裏目に出ています。
言い訳のプロになるための人生にならないよう注意しましょう。むしろ、神から与えられた「時」が行動できるための時になるようにしましょう。
3.責任転嫁をしない
こんなものを押しつけた主人が悪いと、言い訳が責任転嫁に発展します。チャンスをくれた人を恨んではいけません。物事がうまくいかないと、命を与えた神を逆恨みしていないでしょうか。神に感謝こそすれ、不平不満を言う理由はありません。
自分が正しいと思っているかもしれません。このしもべも言い訳をしながら自分が悪いとは全く思っていませんでした。しかし、責任転嫁をして相手を責めるのではなく、選ばれた特権を感謝しましょう。
このしもべは、財産家の主人に見込まれ選ばれた3人の1人として、1タラントと言っても3千万~6千万円にも匹敵する莫大なお金を委ねられたのです。私たちも、クリスチャンの少ない日本で、家族や地域社会の中で真っ先に神から選ばれたことにはよほどの意味があるのです。自分ではわずかと思っていても、莫大な価値のある可能性を秘めた命を与えられた者として選ばれた幸いを感謝し、すぐに行動し、与えられた無限の可能性を用いる者になりましょう。
万代栄嗣(まんだい・えいじ)
松山福音センターの牧師として、全国各地、そして海外へと飛び回る多忙な毎日。そのなかでも宗教を超えた各種講演を積極的に行っている。国内では松山を中心に、福岡、鹿児島、東京、神戸、広島、高松にて主任牧師として活動中。キリスト教界のなかでも、新進気鋭の牧師・伝道者として、注目の的。各種講演会では、牧師としての人間観、ノイローゼのカウンセリングの経験、留学体験などを土台に、真に満足できる生き方の秘訣について、大胆に語り続けている。講演内容も、自己啓発、生きがい論、目標設定、人間関係など多岐にわたる。
また、自らがリーダー、そしてボーカルを務める『がんばるばんど』の活動を通し、人生に対する前向きで積極的な姿勢を歌によって伝え続け、幅広い年齢層に支持されている。
国外では、インド、東南アジア、ブラジル等を中心に伝道活動や、神学校の教師として活躍している。