中島氏はこの十数年日本のプロテスタント教会数、礼拝出席者数が減少傾向にあることについて、「こうした傾向はここ十数年ほとんど変わらないのが日本の教会の実情である。なんとしても(クリスチャン人口)1パーセントの壁を破りたい。そういう願いをもって、主に仕えてきた」と述べた。
今回の聖会について同じ願いを持って、聖会に臨んだという中島氏は士師記に登場するギデオンについて、「士師記にはオテニエルからサムソンにいたるまで、12名の士師といわれる政治的、宗教的な指導者が登場する。イスラエル民族はカナン入国後、原住民との熾烈な戦い生じた。不信仰のゆえに、戦いにやぶれ、移民族の奴隷になっていったが、そうした時、その都度神様は士師をお立てになって、挽回してくださった。ミデヤン人から、イスラエルを解放してくださった」と述べた。
信仰の勝利のための戦力となるのは「精兵」である
中島氏は、信仰の勝利のための戦力となるのは「精兵」であるとし、「お隣韓国では人口の25~30パーセントがクリスチャン。小さな群れであっても、恐れてはいけない。御国を賜ることは、神の御心であると、神は私たちを励ましてくださっておられる。主流派、福音派、ペンテコステ派いずれであれ、いずれの教会であっても救いと聖めがなされていくのが神様の願いである」と述べた。
中島氏は、ギデオンの精兵が3万2,000人の兵隊の中から300人だけが選ばれたことについて、「(神様は)もっと多ければ良いものを、『減らしなさい』とおっしゃった。その中で精査なさった(士師記7・5)。敵が襲ってきたなら、対応できるように、常に戦いの状態であるように戦時体制を整えなさいと教えている。ギデオンの疲れ果てた気持ち想像するに難くない。3万2,000人も兵士が集まったのに、300人だけが残された」と述べ、ギデオンの300人の兵士の割合が、日本の1パーセントのクリスチャン人口の割合とほぼ同じであると指摘し、少ない割合であっても、周辺に影響力をもたらし、浸透力をもたらしていくクリスチャンが残っていることが大切であると述べた。
中島氏は「日本のクリスチャンみんなが精兵であるか。救霊に対する情熱をもって主に仕えているかどうか。喜んでやっているかどうかが、私たちにとって問題ではないか。宣教の1パーセントの壁を破って、教会はキリストの恵みと愛に満たされたものになっていくために、選りすぐった兵隊であることが言えるのではないか」と問いかけた。
さらに中島氏は信仰の勝利の戦略、戦術となる武器について士師記におけるミデヤン人との戦いを例に、「(神様は)ギデオンに改めて戦略と戦術を与えた。ミデヤン側にある夢をギデオンが聞くことになった。夢で話されていることを聞いたことが、ギデオンにとって大変な力となった。ヨシュアのときもそうだが、予想もしなかった人が助けてくれる神様の不思議がある。内住のキリスト、奥義なるキリストが大切なポイントである。神のすべてのことを私たちは知ることができない。まだまだ知らないことばかりである。神様がどのような計画を持っていらっしゃるかはわからない。神に寄り求めれば、答えてくださるのが神。そして想定外のことが起こるようになる」と説いた。
ラッパとからつぼ、たいまつが意味するものとは?
中島氏は「精兵を効果的に活用するためには、計画性と組織性が必要。共通の目的と、お互いの責任分担を明確に把握しなければならない」とし、ギデオンと300人の精兵の戦いについて「手にラッパとからつぼ、たいまつを持った。これが武器であった。戦争では大砲や核兵器が用いられてきたが、霊的な戦いにおいては、ラッパ、からつぼ、たいまつが必要であった。なぜこれで勝てるだろうか」と問いかけた。
中島氏は「ラッパは『信仰の表明』であり、からつぼは『人の器』そのものである。私たちは土とちりでもって造られた土の器(Ⅱコリント4・7)である。皆罪人で悪魔の奴隷であったが、神が選ばれ、永遠に生きる命を与えてくださった。これ以上何を望むことができるだろうか。すべてを捨てて、本当に主に従い、すべてを捧げる。神は小さき者を用いてくださるので、謙遜になるべきである。たいまつは私たちの内に宿る『聖霊様』。聖霊の器が私たちである。私たちの内に居ましたもう聖霊を意識しなければならない。勝利を得るための戦略・戦術としてこれら3つの武器を与えてくださっている。信仰の勝利の秘訣は、神への服従にある。信ずるが故に従う、従うからこそ信じるのである」と説いた。
中島氏は300人の兵士がからつぼを割り、たいまつを堅く握った様子について「300人の兵士が5,000人の燃えるような軍隊に見えたのではないか。私たちもまずはからつぼを割って、『内にあるもの』を外に出さないといけない。からつぼの中に聖霊を宿すだけではなく、『砕かれなければならないもの』、固い傲慢、偏見、恐れ、欲望という固いものがあってはならない。そのような固さのつぼ、貪欲、欲望という固いつぼを持ったまま、聖霊を底に押し込めていないか」と問いかけた。
その上で自分では砕くことはできずとも、主に砕かれることを求め、主に信頼する姿勢が大切であると説き、「信仰の旗を掲げて、世を驚かせるような、世に警鐘を与えるような、クリスチャンへなっていきたい。再臨がなければ、本当の解決がないかもしれないが、天に御心がなるごとく、この地にも御心がなるように。ささやかであるが祈りながら、主のことばに素直に従っていくときに、主は御心を成してくださると信じて疑わない。ギデオンの精兵と日本のクリスチャンが同じ割合である。真理である聖書を信ずるキリスト者がひとつになって、日本の教会がひとつとなって世に訴える教会となるように願いたい」と呼び掛けた。