【CJC=東京】英国国教会は11月20日開いた総会で、女性が主教に就任することを可能とする議案について投票を行い、否決した。
英国国教会は1992年に女性司祭を認めたが、教区主教については「男女平等に反する」などとして容認すべきか10年以上論争が続いていたが、今回の否決で少なくとも次の総会までは現状が続くことになる。男女差別撤廃が進む英国で「最後の砦」が陥落を免れた形。
同派総会は主教、聖職者、信徒の3部会で構成され、主教、聖職者の両部会では3分の2以上の賛成で女性主教を認めていたものの、信徒部会では132票対74票で、必要な3分の2には5票足りなかった。
今回の否決が、カンタベリー大主教引退間近のローワン・ウイリアムズ氏と後任に決定したジャスティン・ウエルビー氏に打撃となったことは必至だ。2人とも女性主教実現を推進してきたと見られている。
ただウエルビー次期大主教にとっては、同性婚、礼典参列者の減少、収入減、聖職者の性的虐待訴訟など難題が山積しており、女性主教問題はひとまず置いて、ということになりそう。
現在、英国国教会には女性司祭が約3000人おり、全司祭の4割を占めている。教会員の7割以上が女性でもあり、女性主教実現の道が閉ざされることはなさそうだ。