宗教自由フォーラムではオバマ政権下で制定された医療保険制度の産児制限への公的費用適用問題により注目が集まることが予想されている。ウォレン氏は両者へのインタビューを中止した経緯について「最近の米大統領選の風潮を見ていますと、それぞれの陣営への誹謗中傷があまりに激しくなっています。フォーラムを開催することで、重要な社会問題や政策に対するそれぞれの意見に良心ある人々が同意できるかどうか判断できる場となることを期待していましたが、それよりも個人的な攻撃や名指しで罵倒をする場所となってしまうことが懸念されます。これまでの大統領選の中でも、今日のような意味のない誹謗中傷、個人への攻撃、名誉を損ねる攻撃目的だけの広告などが出回る選挙は見たことがありません。このような風潮は今後大統領選までずっと続くと思われます。一夜だけ礼儀正しい人間であるように聴衆が振舞う事は難しいのではないでしょうか」と述べている。
大統領および大統領候補を招いた民間フォーラムの替わりとして開催するカリフォルニア州南部サドルバックチャーチ宗教自由フォーラムでは、今日の米政府の動きの中で宗教者の中で特に問題となっている個々人の行動の自由や規制の問題について「日常的に自由を規制し、規制をかけ、大学や病院、職場での信仰の表現が難しくなっている中にあって、米国憲法修正第一項について『いかなる礼拝の場所で何を信じることも自由であるが、その良心を礼拝の場所以外の場所では自由に振る舞ってはいけない』と再定義して広めようとする試みが見られていないでしょうか。米国憲法はただ礼拝の自由を保証するだけのものではなく、日常生活の中で何を信じようと政府の介入を許さないという自由までも保証しているのです」と述べている。
同フォーラムの講演者は明らかにしていないが、米国内の著名カトリック、ユダヤ教およびイスラム教指導者が招かれる予定であるという。宗教の自由の問題については、米オバマ政権下で改革された医療保険制度による産児制限への公的費用適用問題が最もよく取り上げられている。
ウォレン氏は4月の米ABCとのインタビューで産児制限について特に批判しており、「ここで問題にしているのは女性の健康問題ではありません。より大きな原則の問題であり、信仰の実践を決断する権利を持っているかいないかの問題です。私はプロテスタントキリスト教徒であり、福音主義キリスト教徒ですが、カトリックの兄弟姉妹たちが中絶問題で信じるところを支持しています」と述べている。
ウォレン氏はモルモン教徒のロムニー氏に対し、宗教の自由については「彼はモルモン教徒としてすべての宗教が迫害を受けることなく信仰表現ができることの重要性を理解しているでそう。人々が政府の介入なく良心に従って表現できる権利の大切さも理解していると思います」と述べている。モルモン教は米国では長らく宗教的迫害を受ける側に立たされてきたため、創設者のジョセフ・スミス氏が異端の教理を広めていることで殺害された後の1840年代にユタ州に逃れている。
2008年にはウォレン氏は米共和党大統領候補のマケイン議員と当時民主党大統領候補オバマ議員へのインタビューを行っており、キリスト教牧師ならではの信仰や精神論に関するインタビューを行っていた。
ウォレン氏は先月、オバマ米大統領、ロムニー氏の双方とフォーラムを行日時の取り決めのために尽力しており、今週にもインタビューを行おうとしていた。同フォーラムの目的についてウォレン氏はフォックスニュースに対し、「互いにののしり合うことなく主要な政策諸課題に対し両者がどの点で合意していないのか冷静に理解するためである」としていた。