【CJC=東京】イラクの首都バグダッドの南方160キロにあるナジャフで行われた空港拡張工事の際に1700年前の教会跡が発見されたことが改めて注目されている。
教会堂、修道院などの遺跡が2007年以来、相次ぎ発掘されているが、これが古代アラブ・キリスト教都市ヒッラと推定されたことから考古学者の関心が高まった。
発掘に当たっている考古学者アリ・アルファトリ氏は「イラクにキリスト教が存在していた最古のしるし」と、葡萄が描かれた古代の石板を見せながら語った。
ナジャフはイスラム教シーア派の聖地として知られているが、この発掘でキリスト教徒の巡礼も引きつけられるのでは、との皮算用もありそうだ。かつてはイスラム教徒が共存していたのだから、その再現を現地のキリスト者が夢見ても不思議はない。
現場が空港敷地脇ということも、発掘品の盗難防止には役立ちそうだ。とはいえ、発掘継続には資金が不足。内戦激化で電力や水道もままならない中で、発掘にあてる資金集めは容易ではない。
イラクのキリスト者は総人口3100万の内、140万人だったものが、イスラム教側からの抑圧の結果、現在は40万人にまで減少している。