イスラム教国マレーシアで無一物から神学校を創設し、いまでは毎年500人以上の卒業生を各国の伝道へと送り出している伝道者レイモンド・ムーイ師が20日、なかのZEROで18日から開催されてきた来日セミナー(佐々木満男実行委員会会長)最後の集会で講演した。会場いっぱいに集まった約120人の聴衆を前にムーイ師は、「私たちが世界の光です」(マタイ5:14)「人の目にどれだけ評価が低くても、神があなたを用いる。神は奇跡を行う」と熱く語り、「神の力がこの世の中を変える」と信仰者たちのこころを奮い立たせた。
ムーイ師は、イエスが「わたしが世にいる間、わたしは世の光です」(ヨハネ9:5)とイエスの地上での働きにも「時間の制限」があったことを強調し、神によって「世界の光」(マタイ5:14)とされたクリスチャンが、なおも地上に生かされている最大の理由は「この光を(教会の外の)人々の前で輝かせるため。滅びる人々に(福音を)伝えるだめ」だと語った。
聖書には、「神の国は、あなたがたのただ中にあるのです」(ルカ17:21)とある。ムーイ師は、「(私たちが)もし出て行かなければ、いったいだれが神の国に入ることができるのでしょう」と述べ、クリスチャン人口が1%にも満たない日本で信仰を持つ一人ひとりが、これからの日本宣教の方向性を決める重要な立場にあることを強調した。
パウロは自身の偉大な宣教の功績について、ただ「御霊と御力の現われでした」(1コリ2:4)と告白した。ムーイ師は、「人の目にどれほど評価が低くても、神はあなたを用いる。神は奇跡を行う」と語り、どんな人でも信じて熱心に求めれば、神の力をこの世に現す神の働き人となれると訴えた。
最後にムーイ師は、「神の力がこの世を変える」「あなたが神の力を受けるなら、あなたの周りの人を変えることができる」と強調し、神からのよき霊的な賜物を「熱心に求めなさい」(1コリ12:31)と聴衆に伝えた。
講演後、ムーイ師に直接祈ってもらおうと、会場には参加者たちの長蛇の列ができた。ムーイ師は一人ひとりに手を置き、神の癒しの奇跡を現す天からの賜物が与えられるように祈った。席に戻った参加者らは2,3人でグループを作り、神の具体的な癒しの力が現されるよう互いに祈りあった。
集会後の証しの時間には多くの人々が前に出て、具体的に体験した神の癒しの奇跡を証しした。ある参加者は、ガンで医師から余命1週間を宣告された知り合いの娘の症状が、セミナー中の祈りによってその日、人口呼吸器をはずすまでに奇跡的な回復を遂げたことを報告し、驚きと喜びを隠せずにいた。
同セミナー実行委員長の万代栄嗣師は聴衆に、「神にはすべてのことができる。それを隠さないように」と述べ、今回のセミナーで得た癒しの賜物、奇跡の体験をこれからの伝道に生かすよう強く呼びかけた。