【CJC=東京】キューバ・カトリック教会の指導者ハイメ・オルテガ枢機卿が共産主義カストロ政権と信教と政治的自由の拡大に協約してきたとして、米フロリダ州マイアミに本拠を置くキューバ向け放送「ラジオ・イ・テレビ・マルティ」が、同枢機卿を抑圧的な体制と共謀する「下僕」と論評した。
同放送は理事会が大統領府の任命によっており、キューバへのメッセージを届けるという方針は国務省と調整されていることから、今回の論評がオルテガ枢機卿のキューバでの地位に悪影響を及ぼすことで、同国教会の微妙な立場に不支持の信号を米政府が送ったもの、との見方がワシントンなどで出ている。
同枢機卿は、政治囚の釈放に努め、キューバ政府への不満を持つ市民に小規模ながら比較的安全な場を提供したことで評価されてきた。キューバのカトリック雑誌は、政府批判も公然と行ってきた。しかし枢機卿は、カストロ兄弟の長期統治に手を貸している、とキューバを脱出した難民の評判は悪かった。
先頃の教皇べネディクト16世のキューバ訪問の際にも、オルテガ枢機卿は、人権擁護や難民保護の姿勢を公に示さなかった、として不満の声が上がっていた。
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