2月に補佐主教の任命を受け、キューバ初の女性主教となったネルヴァ・コット・アギレラ主教の着座式が10日、キューバの首都ハバナにあるホーリートリニティー大聖堂で行われた。AP通信が11日伝えた。同通信の取材に対してアギレラ主教は「主教に任命されたことをとても光栄に思っています」と答え、「女性の可能性を示すことができる歴史的な動き」と発展途上国でも初となる女性主教として、意気込みを語った。
同通信によれば、昨年11月に米国聖公会初の女性司教に任命され、現在同会の総裁主教を務めるキャサリン・ジェファーツ・ショーリ主教は、「彼女の主教着任は、指導力は性によるものではなく、与えられた賜物によるものだということを多くの国々に示してくれる」と、2月にアギレラ主教の主教任命が発表された際に述べている。
今回、アギレラ主教と共にウリセス・マリオ・アギエラ・プレンダス主教も補佐主教として就任した。アギレラ主教は西キューバを、プレンダス主教は東キューバを担当することになる予定。アギレラ主教は1987年にキューバで初となる女性司祭の1人に選ばれるまでは、中学校の教員として働いていた。
人口約1100万人のキューバで、キューバ聖公会の信徒数は約1万人。カストロ政権下で無神論が公に取り入れられ、その体制が90年初頭まで続いた。キューバ革命以前は人口の約7割を占めていたローマ・カトリックが名目上は多数派となっているが、プロテスタントの諸派やキューバの民間信仰であるサンテリアがここ数年で拡大していると、同通信は報じている。
キューバ聖公会は米国とカストロ政権間の関係が悪化する1967年までは米国聖公会の管区の1つであった。現在は、ショーリ主教も参加し、カナダのアンドリュー・ハッチソン大主教を議長とする評議会によって運営されている。