6月20日から22日までブラジルリオデジャネイロで「国連持続可能な開発会議(リオ+20)」が開催される。持続可能な開発に関する新たな政治的コミットメントを確保するため、「持続可能な開発及び貧困根絶の文脈におけるグリーン経済」、「持続可能な開発のための制度的枠組み」をテーマに各国首脳レベルの政策指導者らが集い、会合がなされる予定である。
これに先駆け、世界教会協議会(WCC)は世界諸教会に対し、気候変動の正義と地球生態系の保護について祈るよう呼びかけている。WCCではリオ+20の会議内容がグリーン経済や国際的に持続可能な開発の枠組みを設定するという狭い理解を超えた働きがなされて行くことを期待している。
1992年にブラジル政府がリオデジャネイロで地球サミットを行った際、WCCは1980年代から国連に気候変動の正義と持続可能な共同体のアドボカシー活動を行っていた。今回のリオ+20は、1992年の地球サミットから20周年を迎える機会に、2009年の第64回国連総会で開催が決定されていた。
WCCでは気候変動の正義について信仰に基づいた価値観が反映されていくことを願っている。WCC気候変動プログラムエグゼクティブのギラーモ・カーバー博士は「私たちはリオ+20において1992年のブラジル地球サミットから20年が経過した中で、持続可能な社会、環境問題について何が生じて来たのかを改めて顧みられることを願っています。グリーン経済や持続可能な開発に向けた国際的枠組み作りには、包括的な視点が必要とされています。WCCの国連に対する働きかけは、諸教会の気候変動の正義に対する草の根運動レベルの働きかけがきっかけとなって行われてきました。各国でそれぞれの諸教会が気候変動対策について働きかけてきました」と述べている。
国連は2012年を「すべての人のための持続可能エネルギーの国際年」に定めている。WCCは諸教会、信仰共同体に対し、この時期にすべての被造物のための対策がなされるように祈りを呼びかけている。
世界諸教会がリオ+20で最善の対策がなされるように継続的な働きかけや祈りを行う中にあって、ミャンマーチン州のバプテスト教会で気候変動の現実や水資源の管理についていかに諸教会が提唱していくかのワークショップが5日に行われる。その他5日には国際環境団体「350.org」による「コネクト・ザ・ドット」イニシアチブの一環として世界各国で気候変動対策に関する行事が行われる予定である。
「350.org」創設者で世界的に著名な環境学者であるビル・マッキベン氏は、「私たちは諸宗教共同体が環境問題に関わっていくことにとても希望を置いています。環境問題に関わるということは聖書に書かれてあるスチュワードシップの命令を行うことであり、隣人を愛することでもあるからです。信仰共同体が環境問題に関わって成果を成すことができるすばらしいことのひとつとして、宗教の掲げる信条に従って、社会的弱者の声を代表して弱者の証人としての役割がなせることが挙げられます」と述べている。
クリスチャントゥデイからのお願い
皆様のおかげで、クリスチャントゥデイは月間30~40万ページビュー(閲覧数)と、日本で最も多くの方に読まれるキリスト教オンラインメディアとして成長することができました。この日々の活動を支え、より充実した報道を実現するため、月額1000円からのサポーターを募集しています。お申し込みいただいた方には、もれなく全員に聖句をあしらったオリジナルエコバッグをプレゼントします。お支払いはクレジット決済で可能です。クレジットカード以外のお支払い方法、サポーターについての詳細はこちらをご覧ください。
人気記事ランキング
-
日本人に寄り添う福音宣教の扉(216)365日24時間、充実した仕事の中 広田信也
-
世界最高齢者は116歳、サッカー好きのブラジル人修道女 長生きの秘訣は?
-
国家を高める正義 穂森幸一
-
花嫁(20)おひなさま 星野ひかり
-
ミャンマーのカトリック教会、大聖堂指定から2週間たたずに空爆直撃 使用不可能に
-
ウクライナ侵攻3年、欧州福音同盟が声明 現状「嘆く」が「希望」持ち続ける
-
神学者トマス・アクィナスの顔、法医学の手法で復元 死因にも新説
-
マイナスをプラスに変える力 菅野直基
-
若者の77%がイエスについて知りたいと思っている 米世論調査
-
ワールドミッションレポート(2月23日):ポーランド 険しい地を平らに(1)
-
「今、私はクリスチャンです」 ウィキペディア共同創設者がキリスト教に回心
-
神学者トマス・アクィナスの顔、法医学の手法で復元 死因にも新説
-
若者の77%がイエスについて知りたいと思っている 米世論調査
-
国内最高齢の女性映画監督、山田火砂子さん死去 日本人キリスト者の半生描いた作品多数
-
山梨英和大学、パワハラで学長ら2人を「降任」の懲戒処分
-
世界最高齢者は116歳、サッカー好きのブラジル人修道女 長生きの秘訣は?
-
ミャンマーのカトリック教会、大聖堂指定から2週間たたずに空爆直撃 使用不可能に
-
トランプ米大統領、「反キリスト教的偏見」根絶を目指すタスクフォースなど創設
-
花嫁(20)おひなさま 星野ひかり
-
保育の再発見(27)この30年をどう過ごしてきたか
-
「今、私はクリスチャンです」 ウィキペディア共同創設者がキリスト教に回心
-
「こんな悲惨なミャンマーを見たことはない」 政変から4年、ヤンゴン大司教が来日会見
-
国内最高齢の女性映画監督、山田火砂子さん死去 日本人キリスト者の半生描いた作品多数
-
トランプ米大統領、「反キリスト教的偏見」根絶を目指すタスクフォースなど創設
-
後藤健二さん没後10年、追悼イベントで長女が映像メッセージ 「誇りに思っている」
-
「苦しみ」と「苦しみ」の解決(1)「苦しみ」の原因 三谷和司
-
説教でトランプ米大統領に不法移民らへの「慈悲」求めた聖公会主教、説教の意図語る
-
山梨英和大学、パワハラで学長ら2人を「降任」の懲戒処分
-
神学者トマス・アクィナスの顔、法医学の手法で復元 死因にも新説
-
「新たなケア」と「限界意識のスピリチュアリティー」 宗教学者の島薗進氏が講演