南アフリカ共和国ダーバンで9日まで開催されていた第17回気候変動枠組条約締約国会議(COP17)を終え、米中二カ国含む新たな枠組みの創設に向けての合意がなされた。COP17では2013年以降の京都議定書の「第2約束期間」においても08年~12年の1990年水準から5パーセント以上二酸化炭素排出量を削減する内容が継続されていくが、日本は「継続しても将来の枠組み構築に資さない」という理由で参加していない。COP17閉幕後には、カナダも議定書から脱退を表明するに至った。
気候変動問題に対する取り組みでは、世界各国の政府・企業その他団体がそれぞれの立場で独自に取り組む中にあって、参加国全国が「平等に課せられる規制」について規定が難しくなっており、排出大国の米国、中国や発展途上国、議定書が制定される前から排出削減に取り組んできた国などでの一致した合意が難しくなっていることが伺える。このような中にあって、世界各国が気候変動に伴いより良い世界、健康な世界となるための機会を模索する同会議において、一部宗教者からは、気候変動問題への取り組みの姿勢というものは、最終的には「神を信じる信仰があるか」どうかにかかっており、科学的な問題としてのみ解決できる問題ではないことの指摘がなされている。
COP17には世界194カ国が会議に参加し、新たな枠組みの創設に向けて合意がなされた。COP17が開催された際、クリスチャンエイド気候変動問題に関するシニア助言役のモハメド・アドウ氏は、会議参加各国が聖書に出てくる「ノアの箱舟」の話を基に政策決定に踏み切ることを勧めていた。気候変動問題では、最も気候変動の原因となる物質を産出していない貧困国、土着民族が最も先に被害を受けることになる。そのため全ての会議参加者が隣人のために生きるという姿勢が重要であることが指摘された。
中央アメリカに位置するホンジュラス共和国のオスカー・ロドリゲス・マラディアガ枢機卿は、気候変動問題が飢餓問題や貧困者の苦しみを増す原因となっていることをカトリック・ニュースサービスを通して指摘した。マラディアガ氏は気候変動問題について「科学的解析によってのみ解決できる問題ではありません。(気候変動問題を語るとき)私たちは人類全体について、また人類の苦しみの問題について語ることになるのです。聖書に書かれているもっとも始めの部分で、創造物の管理は人類に任せるようにさせたことが書かれてありますから、気候変動問題はつまるところ信仰の問題であると言えるでしょう」と述べている。
クリスチャントゥデイからのお願い
皆様のおかげで、クリスチャントゥデイは月間30~40万ページビュー(閲覧数)と、日本で最も多くの方に読まれるキリスト教オンラインメディアとして成長することができました。この日々の活動を支え、より充実した報道を実現するため、月額1000円からのサポーターを募集しています。お申し込みいただいた方には、もれなく全員に聖句をあしらったオリジナルエコバッグをプレゼントします。お支払いはクレジット決済で可能です。クレジットカード以外のお支払い方法、サポーターについての詳細はこちらをご覧ください。
人気記事ランキング
-
「日本イスラエル・クリスチャン交流会」が発足、世界62カ国に広がる議員ネットワーク
-
後藤文雄神父死去、96歳 カンボジア難民の子ども育て、学校建設に尽力
-
キリスト教に回心したウィキペディア共同創設者、所属教会を発表
-
花嫁(33)愛には恐れがない 星野ひかり
-
サンタ・クロースと呼ばれた人―聖ニコラスの生涯(28)ニコラス司教逮捕される
-
ワールドミッションレポート(9月18日):パプアニューギニア イースターは1日じゃない、1カ月続くリバイバルだ
-
今の自分のままで幸せだと気付こう 菅野直基
-
イエスの統治を祝う祭典「ジーザス・レインズ」が10周年 ラップ賛美など新しい試みも
-
キリストの心と思いが与えられている恵み(3)神の御霊と一つ 加治太郎
-
ワールドミッションレポート(9月17日):ロシアのリブ族のために祈ろう
-
「日本イスラエル・クリスチャン交流会」が発足、世界62カ国に広がる議員ネットワーク
-
米保守派活動家で熱心なクリスチャンのチャーリー・カーク氏、イベント中に射殺される
-
キリスト教に回心したウィキペディア共同創設者、所属教会を発表
-
「世界で最も優しい裁判官」 フランク・カプリオさん死去、敬虔なカトリック信者
-
「聖書を読まなかったら、今の自分はない」 元ヤクザの進藤龍也氏と山崎純二氏が対談
-
イエスの統治を祝う祭典「ジーザス・レインズ」が10周年 ラップ賛美など新しい試みも
-
石破茂首相が退陣表明、15年ぶりのクリスチャン首相
-
後藤文雄神父死去、96歳 カンボジア難民の子ども育て、学校建設に尽力
-
「信教の自由を脅かす」 旧統一協会の解散命令巡り特別集会、西岡力氏らが登壇
-
「苦しみ」と「苦しみ」の解決(12)「苦しみ」から「光」へ 三谷和司
-
「日本イスラエル・クリスチャン交流会」が発足、世界62カ国に広がる議員ネットワーク
-
「世界で最も優しい裁判官」 フランク・カプリオさん死去、敬虔なカトリック信者
-
米保守派活動家で熱心なクリスチャンのチャーリー・カーク氏、イベント中に射殺される
-
石破茂首相が退陣表明、15年ぶりのクリスチャン首相
-
「信教の自由を脅かす」 旧統一協会の解散命令巡り特別集会、西岡力氏らが登壇
-
牧師を辞めた理由は? 元牧師730人を対象に調査 現役牧師や信徒へのアドバイスも
-
キリスト教に回心したウィキペディア共同創設者、所属教会を発表
-
「聖書を読まなかったら、今の自分はない」 元ヤクザの進藤龍也氏と山崎純二氏が対談
-
イエスの統治を祝う祭典「ジーザス・レインズ」が10周年 ラップ賛美など新しい試みも
-
ウェールズ聖公会、首座主教にレズビアンの女性主教選出 保守派からは強い批判の声