トゥヴェイト総幹事は、「聖書の解釈と貧しい人々のために奉仕する姿勢は、シュバンテス博士が果たしてきた解放の神学の重要な要素であり、現代のエキュメニカル運動の発展に大きな貢献をしてきました」と述べた。WCC中央委員会モデレーターのウォルター・オルトマン博士は、「シュバンテス博士はブラジル、南米、カリブ海諸国、そして世界中の多くの人々から、苦しんでいる人々の必要を敏感に察知し、聖書の学術的に深く優れた解釈を施してこられたことで、尊敬され、称賛されていました」と述べた。
シュバンテス博士は、ドイツヘーデルバーグ大学に提出した学位論文で「旧約聖書における貧しい人々の権利」について論述していた。さらに「南米聖書目録」プロジェクトを立ち上げ、南米聖書解釈ジャーナル(RIBLA)の編集者も務めていた。シュバンテス博士はその他イスラエル史、イスラエル古代王国、人権と平和に関する数冊の書籍も出版た他、複数の名誉博士号も授与していた。
聖書研究センター(CEBI)コーディネーターでシュバンテス博士と学術活動を共にしていたエドミルソン・シネロ氏は「シュワンテス博士のおかげで南米で聖書読解が広く広まったともいえます。彼の聖書解釈に向けた熱心さに加え、聖書の御言葉に対する非常に深い洞察、御言葉の実際の人々の生活との関係性における適用など、シュバンテス博士の遺産は、エキュメニズムへの強い貢献となり、聖書におけるジェンダー問題や、フェミニスト的解釈などへの動機にもつながりました」と述べている。
シュバンテス博士の深く鋭い聖書研究によって、多くの人々が聖書解釈の取り組みを行う動機付けがなされるようになった。シュバンテス博士の聖書研究は、独創性に富み、とりわけ貧しい人々に寄与する聖書解釈に関して多くの称賛を得ていた。リバー・プレート福音教会(IERP)前幹事のフアン・アベラルド・シヴィント氏は、 「シュバンテス博士は、1992年の南米大陸植民地化から500年を記念した協議会で、南米大陸という先住民族の社会、文化、宗教が否定され、服従を余儀なくされた大陸にできた諸教会において、いかに聖書を信仰に適用していくかにおいて、改めて深い洞察を寄与されました」と述べている。
ロシレニー・アルヴェス・ドサントス夫人、3人の娘に恵まれたシュバンテス博士は2002年8月に腫瘍を取り除いてから、重度の身体障害を患うことになった。晩年は闘病生活に苦しみながらも、継続的に信仰に支えられた精神的強さと喜びを人々に証ししていたという。