リビアのカダフィ大佐(69)が20日早朝、リビア北中部のシルト近郊で北大西洋条約機構(NATO)軍に拘束され殺害された。反カダフィ派「国民評議会」のゴーガ副議長がカダフィ大佐の死亡を確認した。
国連潘基文(バンキムン)事務総長はグローバルサステイナビリティにおけるハイレベルパネルの会合で、カダフィ大佐の死亡について言及し、「今日はリビア国民にとって歴史的な変遷の日となりました」と述べた。藤村官房長官は「すべてのリビア人が参加する新しいリビアの国づくりに向けた取り組みを支援していきたい」と今後のリビア民主化を支援していく意向を発表した。
米クリスチャン・ポストによると、オバマ米大統領は同日ホワイトハウスにて「今日、リビア政府はムアマル・カダフィの死亡を発表しました。これはリビア国民にとって長く続いた悲痛な章の終焉の徴であり、リビア国民は今民主的な国家として新たな運命を決定する機会を得るに至る出来事です。今日私たちはカダフィ政権が決定的に終焉を遂げたと断言することができます。世界でもっとも長期間君臨した独裁君主がこれ以上存在しなくなりました。圧制の暗闇が取り払われました」と述べた。
なおオバマ米大統領は、米政府が独自にカダフィ大佐の死を確認したかどうかは言及しなかった。米ホワイトハウス広報官ジェイ・カーニー氏によると、「米政府は実際に現場で確認できていないが、カダフィ大佐の死亡の報告は確信できるものである」という。
オバマ米大統領はリビア政府に対し、すべてのリビア国民の人権を尊重するように呼びかけ、「リビアは長く曲がりくねった道のりを辿り、完全な民主主義の国に至るでしょう」と期待を述べたが、リビアの最終的な将来を決定するのはリビア国民自身であることを強調し、「リビア国民は革命に勝利しました。今日はリビア国民のものです。米国民はリビア国民がこれからの試練を乗り越え最善を尽くされることを願っています。試練もあるでしょうが、多くの希望もある毎日、毎週、毎月、毎年となっていくことでしょう」と述べた。カダフィ大佐死亡の知らせはオバマ政権がリビア民主政治を支援する絆を深めようとクリントン国務長官をリビアに派遣した数日後に生じた。
クリントン国務長官はリビア新政権が負傷兵の医療ケアや治安の回復を行うために総額1,100万ドル(約8億5千万円)の支援を行うことを約束した。クリントン国務長官は、新政権が反体制派諸派を統一させ、新たな治安体制を作り出し、反体制派同士で紛争が生じさせないようにするように促しており、暫定政権の計画についてリビア国民評議会(NTC)議論を行っている。
クリントン国務長官もオバマ米大統領と同様に、NTCは同国選挙まで8カ月のタイムテーブルを維持し、カダフィ大佐を支持していた人々との間に対立の火花を生じさせないようにすることを促している。クリントン国務長官は「42年間の独裁政権を耐え抜いてきたリビア国民にとって国際基準に適う公正な選挙の手続きをすべての面において取ることは一つの試練となるでしょう。しかしそのような中で民主主義に移行してきた例が他国にもあります。これから先へ進んでいくことが(リビア国民にとって)数々の試練と直面するものとなるといえるでしょう」と述べた。
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