紛争後のリビアに残された地雷その他紛争による残骸除去作業をキリスト教団体が行うことが国連により承認された。国連事務総長の潘基文氏は22日会見を行い、リビアでカダフィ政権が崩壊寸前にあることについて「リビアででの一連の出来事はこれからのリビアにとって希望を与えるものとなる一方、危険も伴っている」ことを伝え、リビア国民らがこれからのリビア再建に一致して焦点を当てていくように励ました。
キリスト教支援団体としては、アクト・アライアンスのメンバーであるダンチャーチエイドは、同団体がリビア東部で6カ月間にわたって紛争後の残骸除去作業を行うことを国連により承認されたことを伝えた。英クリスチャン・トゥデイが報じた。
アクト・アライアンスは先週からリビア東部で4つのチームを展開しての活動を展開しており、リビアの支援活動費をして100万ドルの予算を割り当てている。これらのチームはリビアでベースキャンプを設立し、地雷と不発弾が存在する個所を調査している。
アクト・アライアンスの地雷除去専門家のサム・クリステンセン氏は「子どもたちが立ち入り禁止のタンクのある場所などに行って怪我をすることがないか心配です」と述べている。すでにリビアでは不発弾の爆発によって2人の子どもが負傷していることが報告されている。
リビアでの地雷除去活動が承認され、これらのチームが除去作業を始めようとしていることについて、同氏は「早く作業を始めれば始めるほど、より多くの人命を救うことができます。不発弾に近づく好奇心旺盛な子どもたちや疑い深くない大人たちが不発弾によって命を脅かされています。作業を通してこれらの人たちを救っていくことができればと思います」と述べた。
特に心配なのは、イラクやコソボ戦争後にも同様に見られた現象である好奇心旺盛な大人たちによる「兵器ツアー」にあるという。紛争後の破壊された倉庫やタンクを行き巡り、武器を集めて自宅に持ち帰るという行為がこれらの大人たちによって行われており、リビアでも今後そのような「ツアー」が行われる恐れがあるという。
同氏は「このような武器が何のために造られたのかを知らずに、発見してはお土産品のように家に持ち帰り、棚の上に飾ったりする人たちがいるのです」と懸念を示した。地雷除去作業の他にも、紛争後に残された人々がテロリストの手に渡り、ヨーロッパを攻撃する要因として用いられるのを阻止する活動を展開していく必要もあるという。
同氏は「残された武器は間違った人々の手に渡る前に処理されなければなりません。そうしなければ、これらの武器がヨーロッパに送られ、欧州諸国に対する脅威になり得ます」と述べている。