9月4日、日本イエス・キリスト教団東京若枝教会(東京都西東京市)で、パイプオルガンの奉献式、および記念コンサートが開かれ、260人が同教会のコンサートに集った。うち3割が新来会者で、来会者へのアンケートでも好意的な反応が書かれており、今後も教会でのパイプオルガンの定期演奏会を望む声が強く聞かれたという。
同教会オルガン委員会は、アンケート結果を受け、定期演奏会を前向きに検討し、年に3回、さらに近い将来ランチタイム・コンサートを行うことも視野に入れていくという。またオルガンが設置されたことに伴い、オルガン委員会の名称を音楽伝道委員会と改名し、その目的を明確にした。
記念コンサートを受け、西東京市長の坂口光治氏からは電話で「当日は先約があり出席できませんでしたが、次回はぜひ出席させてください。ドイツにいた時、教会を覗きましたが、オルガンの荘厳な響きは全身を貫きますから、敬虔な思いを高めてくれますね」と伝えられたという。近隣の人々の参加が多く、「わが町にパイプオルガンを備えた教会がある」と、わがごとのように親近感を伝える声も聞かれているという。
プログラムは、この日のために同教会副牧師の飯塚弘道氏が作曲した「奉献式」の快調な響きで幕開けした。演奏は教会オルガニストの川瀬葉月氏、司会と解説はテナーの川瀬太基氏。バッハとヘンデルの一連の作品の他、ベールマンの「ノートルダムの祈り」、パッヘルベルの「カノン」など明朗で親しみ易い曲が並んだ。
同教会パイプオルガン設置に至るまでには、二人の女性の祈りとビジョンが深く関わっているという。一人は牧師夫人の故飯塚美佐子氏で、開拓に次ぐ開拓の生涯だった彼女の心に灯った夢が、献堂式を重ねるごとに確固たるビジョンとなり、主は必ず与えて下さるという確信となっていったという。
もう一人は、若枝教会教会員の故平野信子さんであるという。同教会副牧師の飯塚氏によると、平野さんはこのビジョンを実現するために神に遣わされたとしか思えない主のしもべのような人であったという。平野さんは、日本の女子教育啓蒙者で明治女学校の創設者として有名な木村熊二牧師(1845-1927)の令孫にあたる人で、高潔をもって知られた祖父の人柄を彷彿とさせる筋の通った信仰と優しいハートの持ち主であり、3年前に晴れやかに御国に移されて行ったという。この両者が主にあって水魚の交わりを深め、同じ目的を分かち合ってきた。地上を去るに当たって、平野さんの遺産が教会に委ねられ、若枝教会に「平野信子記念オルガン」が完成されるに至ったという。
コンサートのアンコールに応えて流れて来た曲は故美佐子氏の愛歌、「シャロンの花、イエス君よ」で、事情を知る人たちの心を涙で濡らした。
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